監査モジュール法(組込監査モジュール)とは?かんさもじゅーるほう
監査モジュール法(組込監査モジュール)とは、本番プログラムの中に監査用の抽出・記録ロジックをあらかじめ組み込んでおき、条件に合致する取引を継続的に監査用ファイルへ収集する技法。事後の抜取りでは捉えにくい異常取引を、発生の都度もれなく記録できるため常時監視に向く。
最終更新:2026-10-06
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事後にデータを抽出する方式では、すでに上書きされた中間状態や、処理の途中でしか判定できない条件は追えない。取引が起きるその場に監査の目を置くために、処理の流れの中へ記録の仕組みを埋め込むという発想が生まれた。ただし本番プログラムに監査用のコードが入るため、開発段階での設計と、そのコード自体の変更管理が前提になる。
具体例
1件100万円を超える振替取引や、営業時間外に行われた与信限度の変更をすべて監査用ファイルへ自動記録し、監査人が定期的に内容を確かめる。監査人は、記録の条件が仕様どおり実装され、その後変更されていないことも併せて確かめる。
試験での引っ掛け
稼働後に後から組み込むのは負担が大きく、開発段階で設計しておく必要がある点が問われる。またITF法とは目的が異なり、監査モジュール法は実取引を抽出して記録する技法、ITF法は擬似データを流して処理結果を確かめる技法である。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
表はコンピュータを利用して行うシステム監査技法についてまとめたものである。(1)〜(4)の組合せとして,適切なものはどれか。
正解:(1)稼働中オンラインシステムのテスト (2)プログラムロジックの分析 (3)プログラム変更の検証 (4)データの抽出
要点:監査技法は目的別にテスト・ロジック分析・変更検証・データ抽出に整理できる
各技法の目的を押さえれば表は埋まる。ITF法は本番環境に監査用の架空口座を設けて稼働中のオンラインシステムを検証する技法なので(1)が稼働中システムのテストになる。並行シミュレーション法・スナップショット法・トレーシング法はいずれも処理の途中経過や論理を追跡するもので(2)がプログラムロジックの分析、コード比較法はソースや実行モジュールを突き合わせるので(3)がプログラム変更の検証、汎用監査ソフトウェア法と組込み監査モジュール法は(4)のデータ抽出に当たる。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問4(IPA)解説で登場
システム監査技法であるITF(Integrated Test Facility)法の説明はどれか。
正解:監査対象ファイルにシステム監査人用の口座を設け,実稼働中にテストデータを入力し,その結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合して,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
要点:ITF法は本番に監査人用口座を設け稼働中に処理を検証する技法
ITF法は、本番の監査対象ファイルの中に監査人専用の架空口座を設け、実稼働中の処理にテストデータを流し込んで結果を検証する技法である。本番と同一の環境・同一のプログラムで検証できる点が長所だが、テストデータが本番データに混入しないよう分離する管理が不可欠になる。監査モジュールの組込みは組込み監査モジュール法、別プログラムとの結果比較は並行シミュレーション法である。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの6 サービスマネジメント > 1. システム監査 > (5) システム監査の実施(予備調査,本調査,評価,結論)に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。