変動費・固定費とは?へんどうひ・こていひ
変動費・固定費とは、操業度(売上高や生産量)の増減に対する反応で費用を二つに分けた区分。原材料費や外注加工費のように操業度に比例して増減するのが変動費、家賃・減価償却費・正社員の給与のように操業度と無関係に一定額発生するのが固定費である。この固変分解をすると、売上高から変動費を引いた限界利益で固定費を回収し切る点=損益分岐点売上高が計算でき、増産や値下げの判断根拠になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
費用の総額を眺めているだけでは、あと何個売れば黒字になるのか、値下げして数量を稼ぐべきかに答えられない。財務会計での費目別の分類は外部報告のためのもので、「数量を増やしたときに増える費用はどれか」という意思決定の問いには答えない。この問いに答えるために、費用を操業度への反応で組み替えたのが変動費・固定費の区分である。応用情報で問われるのは、システム化投資の回収計算やサービスの料金設計で同じ計算をする場面があるためである。
具体例
クラウドの利用料は、この区分の違いがそのまま契約形態に現れる。AWSのEC2をオンデマンドで使えば料金は稼働時間に比例する変動費だが、リザーブドインスタンスやSavings Plansで1年分を先に確保すると、使わなくても発生する固定費に近づく。自社データセンターの設備投資は減価償却費として典型的な固定費になる。
試験での引っ掛け
総額で見るか製品1個あたりで見るかで説明が逆転するのが定番。総額では変動費が操業度に比例して増え固定費は一定だが、1個あたりで見ると変動費は一定で、固定費は生産量が増えるほど減る。また損益分岐点は限界利益(売上高−変動費)で固定費を回収し切る点であり、営業利益率ではなく限界利益率で割る点も取り違えやすい。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問76(IPA)
今年度のA社の販売実績と費用(固定費、変動費)を表に示す。来年度、固定費が5%増加し、販売単価が5%低下すると予測されるとき、今年度と同じ営業利益を確保するため…
正解:2,862
要点:必要販売量=(固定費+目標利益)÷1台当たり限界利益
今年度の営業利益は、売上2,500×200=500,000千円から変動費2,500×100=250,000千円と固定費150,000千円を引いた100,000千円です。来年度は販売単価が5%下がって190千円、変動費は100千円のままなので1台あたりの限界利益は90千円、固定費は5%増の157,500千円になります。同じ利益100,000千円を確保するには限界利益の合計が257,500千円必要で、257,500÷90=2,861.1…より、最低2,862台となります。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問77(IPA)
今年度の事業損益実績は表のとおりである。来年度の営業利益目標を240百万円としたとき、来年度の目標売上高は何百万円か。ここで、来年度の変動費率は今年度と同じであ…
正解:2,050
要点:目標売上高=(目標利益+固定費)÷限界利益率
変動費は材料費720+外注費240=960百万円なので、変動費率は960÷1,600=0.6、限界利益率は0.4である。来年度の固定費は製造固定費380+80と販売固定費100+20で合計580百万円。目標売上高をSとすると0.4S-580=240となり、0.4S=820、S=2,050百万円。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問77(IPA)
損益分岐点の特性を説明したものはどれか。
正解:損益分岐点での売上高は,固定費と変動費の和に等しい。
要点:損益分岐点では売上高が固定費と変動費の合計に等しくなる
損益分岐点は利益がちょうどゼロになる売上高であり、そこでは売上高と総費用が等しい。総費用は固定費と変動費の合計なので、損益分岐点での売上高は固定費と変動費の和に等しくなる。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問77(IPA)
売上高が7,000万円のとき,200万円の損失,売上高が9,000万円のとき,600万円の利益と予想された。売上高が8,000万円のときの変動費は何万円か。ここ…
正解:4,800
要点:変動費率は売上の増分に対する費用の増分から求める。
売上高が7,000万円から9,000万円へ2,000万円増えると、利益は−200万円から600万円へ800万円増える。増分だけを見ると限界利益率は800÷2,000=0.4なので、変動費率は1−0.4=0.6である。売上高8,000万円のときの変動費は8,000×0.6=4,800万円となる。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問76(IPA)
表の事業計画案に対して、新規設備投資に伴う減価償却費(固定費)の増加1,000万円を織り込み、かつ、売上総利益を3,000万円とするようにしたい。変動費率に変化…
正解:4,000
要点:必要売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率で求める
現状の変動費率は10,000÷20,000=0.5である。固定費は8,000+1,000=9,000万円になる。売上高を20,000+xとすると売上総利益は(20,000+x)×(1-0.5)-9,000=3,000となり、0.5×(20,000+x)=12,000から20,000+x=24,000、すなわちx=4,000万円である。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 3. 会計・財務 > (1) 企業活動と会計に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。