原価計算とは?げんかけいさん
原価計算とは、どの費用をどの製品・サービスに負わせるかを決める手続きで、何を判断したいかによって集計の仕方が変わる。外部報告に用いる全部原価計算は固定費も製品原価に含め、社内の採算判断に用いる直接原価計算は固定費を期間費用として切り離す。目的を取り違えると同じ実績から逆の結論が出る。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
単一の製品を作っていた時代は、総費用を生産数で割れば単価が出た。製品の種類が増え、間接部門や設備の費用が原価の大半を占めるようになると、共通費をどの製品にどの基準で負わせるかによって、同じ実績から出る製品別損益が変わってしまう。原価計算は、この割り振りの手続きを制度として定め、値付けと採算判断の根拠を再現可能にするために置かれている。
具体例
追加受注を受けるか断るかの判断では、直接原価計算で貢献利益(売価−変動費)が正なら、固定費が既に回収されている範囲では受けたほうが利益は増える。ところが全部原価計算の製品単価で見ると赤字に見え、断ってしまう。活動基準原価計算(ABC)は配賦基準を作業の活動量へ置き換えてこの歪みを補正する。
試験での引っ掛け
在庫が増える期は、固定費が在庫に残る全部原価計算のほうが利益は大きく、直接原価計算のほうが小さく出る。この向きが定番の出題。配賦基準が実態と合わないと、採算の良い製品を赤字と誤認する。標準原価計算は差異分析、個別・総合原価計算は集計単位の違いで、切り口そのものが別である。
関連用語
出た過去問
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問77(IPA)
図に示す標準原価計算の手続について、a〜cに該当する適切な組合せはどれか。
正解:a:実際原価の計算、b:標準原価差額の計算、c:原価差異分析
要点:標準原価計算は実際原価→差額算出→差異分析の順に進む
標準原価計算は、原価標準を設定して標準原価を計算した後、実際に発生した原価を集計し、標準原価との差額(標準原価差額)を算出する。さらにその差額がなぜ生じたのかを価格差異・数量差異などに分けて原価差異分析を行い、結果を原価報告としてまとめる流れになる。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問76(IPA)
原価計算基準に従い製造原価の経費に算入する費用はどれか。
正解:製品を生産している機械装置の修繕費用
要点:製造原価に入るのは製造活動のために消費した原価だけ
製造原価は、製品を作るために消費された原価であり、材料費・労務費・経費に分類される。生産設備である機械装置の修繕費用は製造活動のために発生する経費なので、製造原価の経費に算入する。製造と直接結び付かない費用や異常な原因による費用は含めない。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 3. 会計・財務 > (2) 財務会計と管理会計に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。