リスク対応とは?りすくたいおう
リスク対応とは、リスクアセスメントの結果を受けて処置を選ぶ工程で、回避・低減(軽減)・移転(共有)・保有(受容)の4つに分類される。どれを選ぶかは対策費用と残る影響の釣り合いで決まり、受容水準を超えて残るリスクは経営層が判断して引き受ける。
最終更新:2026-10-06
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すべての脅威に最大限の対策を打てば安全にはなるが、費用は際限なく膨らみ、投じた額に見合う効果があるかを誰も説明できない。かといって対策を絞れば、なぜその線で止めたのかを問われる。処置の選択肢を4つに類型化することで、「なぜ暗号化ではなく保険なのか」「なぜ何もしないと決めたのか」を同じ土俵で比較でき、承認の記録として残せるようにしたのがこの枠組みである。
具体例
JIS Q 27001に沿った運用では、危険なサービスを廃止するのが回避、通信の暗号化や機器の二重化で確率と影響を下げるのが低減、サイバー保険への加入や業務の外部委託が移転、影響が小さく対策費のほうが上回るため何もしないと決めるのが保有にあたる。
試験での引っ掛け
保険は損害を金銭で補うだけで事故そのものは防げないため移転であり、回避ではない。外部委託しても説明責任は委託元に残る。回避は原因となる事業や機能をやめて脅威を断つ処置で、対策を打って確率を下げる低減とは別である。対策後の残留リスクはゼロにならず、受容の判断は経営者が行う点も押さえる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
PMBOKガイド第6版によれば、脅威と好機の、どちらに対しても採用されるリスク対応戦略として、適切なものはどれか。
正解:受容
要点:受容とエスカレーションは脅威にも好機にも使える
PMBOKでは、脅威への対応戦略が回避・転嫁・軽減、好機への戦略が活用・共有・強化とされ、これに加えて受容(受け入れ)とエスカレーションは脅威と好機の双方に適用される。受容は積極的に手を打たず、発生したときに対処する(あるいは何もしない)戦略である。
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)解説で登場
プロジェクトマネジメントにおいて、コンティンジェンシー計画を作成するプロセスはどれか。
正解:リスクへの対応
要点:コンティンジェンシー計画はリスク対応プロセスで作成する
コンティンジェンシー計画は、特定したリスクが実際に発生した場合に備えてあらかじめ用意しておく対応策であり、リスクへの対応(リスク対応の計画)のプロセスで作成される。リスクの特定はリスクを洗い出す段階、リスクの評価は発生確率と影響度から優先順位を付ける段階であり、具体的な対策を決めるのはその後の対応プロセスである。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問41(IPA)解説で登場
JIS Q 31000:2019(リスクマネジメント-指針)におけるリスクアセスメントを構成するプロセスの組合せはどれか。
要点:リスクアセスメントは特定・分析・評価の3プロセス
JIS Q 31000におけるリスクアセスメントは、リスク特定・リスク分析・リスク評価の3つのプロセスで構成されます。まずリスクを洗い出し(特定)、起こりやすさと影響の大きさを把握し(分析)、基準と照らして対応の要否や優先順位を判断します(評価)。その結果を受けて実施するリスク対応は、アセスメントの後に続く別のプロセスです。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 1. システム化計画 > (3) システム化計画の立案における検討項目に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。