デシジョンツリー(決定木)とは?でしじょんつりー
デシジョンツリー(決定木)とは、選択肢と、その先に起こり得る不確実な事象を確率と結果(利得)付きで樹形図に展開し、末端から期待値を折り返し計算して最も有利な選択肢を選ぶ意思決定の手法。分岐が選択によるものか偶然によるものかを区別し、選択の分岐では期待値の大きい枝を残していくのが計算の順序になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
投資や新規事業の判断は、結果が自分の選択だけでは決まらず、市場や競合という自分で動かせない要因を含む。勘や声の大きさで決めると、後から判断の理由をたどれない。確率と利得という2つの数値へ落とし込めば、前提のどこを変えると結論が覆るのかまで示せる。応用情報では、この期待値の積み上げを正しく計算できるかが直接問われる。
具体例
新製品を大規模投資と小規模投資のどちらで進めるかを、市場が好況・不況となる確率とそれぞれの利益で枝分かれさせる。大規模投資で好況なら8億円・不況なら−2億円、確率が0.6と0.4なら期待利益は4億円、という計算を選択肢ごとに行い、大きいほうを採る。なお同じ決定木という語は、機械学習で分類規則を木構造として学習するモデルの名でもある。
試験での引っ掛け
各分岐で確率の合計が1になっているか、末端から順に折り返して計算しているかを問う計算問題が頻出で、途中の枝の期待値を飛ばして最後だけ足すと合わない。また期待値が最大の選択肢が常に正解とは限らず、1回限りの意思決定で大きな損失に耐えられない場合はリスク回避の観点が入る。決定表(デシジョンテーブル)とは目的が別である点も混同しやすい。
関連用語
出た過去問
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
自動生産システムの増強に関する次のデシジョンツリーにおいて、新規にシステムを開発する場合の期待金額価値(EMV)は何億円か。
正解:14
要点:期待金額価値は各分岐の結果×確率の総和
期待金額価値は、各分岐の結果に確率を掛けて合計した値である。新規開発では需要が大きい場合の30億円が確率60%、需要が小さい場合のマイナス10億円が確率40%なので、0.6×30+0.4×(−10)=18−4=14億円となる。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問75(IPA)
ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:施策b、利益増加額の期待値82億円
要点:デシジョンツリーは末端から期待値を戻して最良枝を選ぶ
後ろから期待値を計算する。施策bでは、確率0.3の枝で追加費用40億円を投じると0.4×150+0.6×100-40=80億円となり、追加しない場合の70億円を上回るので80億円を採る。よってbの期待値は0.3×80+0.7×140-40=122-40=82億円である。同様に施策aは0.4×70+0.6×120-30=70億円となり、bのほうが大きい。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問74(IPA)
ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:b/82
要点:決定木は末端から期待値を遡り、途中の意思決定点では有利な枝を選ぶ
決定木は末端から遡って期待値を計算します。施策aは、確率0.4の枝で追加投資する場合の期待利益が70億円(追加しない場合の50億円より有利)、確率0.6の枝が120億円なので、0.4×70+0.6×120=100億円から初期費用30億円を引いて70億円です。施策bは、0.3の枝で追加投資する場合が80億円、0.7の枝が140億円なので、0.3×80+0.7×140=122億円から初期費用40億円を引いて82億円となり、bが有利です。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問63(IPA)
ビッグデータを有効活用し、事業価値を生み出す役割を担う専門人材であるデータサイエンティストに求められるスキルセットを表の三つの領域と定義した。データサイエンス力…
正解:分析要件に応じ、決定木分析、ニューラルネットワークなどのモデリング手法の選択、モデルへのパラメタの設定、分析結果の評価ができる。
要点:データサイエンス力は統計・機械学習でモデルを選び評価する力
データサイエンス力は、統計学や機械学習といった情報科学の知識を使って、予測・検定・関係性の把握やデータの加工・可視化を行う力と定義されている。決定木分析やニューラルネットワークといったモデリング手法を選び、パラメタを設定し、結果を評価する能力はまさにこの領域に当たる。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問75(IPA)
ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:施策b、期待値82億円
要点:決定木は末端から期待値を求め、意思決定点では最大値を採る
枝の先に意思決定の分岐がある場合は、その時点で期待値の高いほうを選ぶものとして計算する。施策aは追加投資の枝が70、他方が120で、0.4×70+0.6×120-30=70となる。施策bは追加投資の枝が80、他方が140で、0.3×80+0.7×140-40=82となり、施策bが有利である。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 2. 要件定義 > (2) 要件定義に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。