期待値計算(EMV)とは?いーえむぶい
期待値計算(EMV)とは、起こりうる結果の金額に、それぞれの発生確率を掛けて足し合わせた値。EMV(期待金額価値)は不確実さを含む選択肢を1つの数値へ落として比べるための道具で、プロジェクトの予備費算定やリスク対応策の費用対効果の判断に使われる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
「たぶん大丈夫」「念のため厚めに」という感覚で予備費や対策費を決めると、根拠を説明できず関係者の合意も取れない。発生確率と影響額という2つの見積りを掛け合わせて金額に統一すれば、対策にいくらまで払う価値があるかを議論の土台へ載せられる。定量的リスク分析の出発点として、ORとプロジェクトマネジメント双方の文脈で問われる。
具体例
発生確率20%・影響額500万円の障害は期待金額100万円のリスクであり、80万円の対策でこれを消せるなら投資は正当化できる。デシジョンツリーでは各枝の期待値を末端から遡って計算し、期待値の高い分岐を選ぶ。
試験での引っ掛け
期待値が同じでも、確率1%で1億円と確率50%で200万円ではリスクの性質がまるで違う。期待値は散らばりを表さないため、それ単独で保険や撤退を判断してはならない。損失側をマイナスで扱う符号の処理、確率の合計が1かの確認も落としやすい。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)解説で登場
PMBOKガイド 第5版によれば,定量的リスク分析で実施することはどれか。
正解:特定したリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する。
要点:定量的リスク分析はリスクの影響を数値として算出する
定量的リスク分析は、特定済みのリスクがコストや期間などプロジェクト目標全体に与える影響を数値として算出するプロセスである。期待金額価値分析やモンテカルロシミュレーションなどを用い、目標達成の確率を数量的に示す。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)解説で登場
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
工場の生産能力を増強する方法として、新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で、期待金額価値の高い案を採用するとき、採用すべ…
正解:既存システムの改修/期待金額価値46億円
要点:期待金額価値は確率で重み付けした収入から投資額を引いて比較する
期待金額価値は、各シナリオの収入に発生確率を掛けて合計し、投資額を引いて求める。新規開発は180×0.7+50×0.3=141億円の期待収入から投資100億円を引いて41億円。既存改修は120×0.7+40×0.3=96億円から投資50億円を引いて46億円となる。46億円のほうが高いので既存システムの改修を採用し、期待金額価値は46億円である。
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
自動生産システムの増強に関する次のデシジョンツリーにおいて、新規にシステムを開発する場合の期待金額価値(EMV)は何億円か。
正解:14
要点:期待金額価値は各分岐の結果×確率の総和
期待金額価値は、各分岐の結果に確率を掛けて合計した値である。新規開発では需要が大きい場合の30億円が確率60%、需要が小さい場合のマイナス10億円が確率40%なので、0.6×30+0.4×(−10)=18−4=14億円となる。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問35(IPA)
3Dセキュア2.0(EMV 3-Dセキュア)は、オンラインショッピングにおけるクレジットカード決済時に、不正取引を防止するための本人認証サービスである。3Dセキ…
正解:利用者の過去の取引履歴や決済に用いているデバイスの情報から不正利用や高リスクと判断される場合に、カード会社が追加の本人認証を行う。
要点:3Dセキュア2.0はリスクが高い取引だけ追加認証を求める
3Dセキュア2.0の最大の特徴はリスクベース認証を採用した点である。カード会社は取引履歴や端末情報などの多数の属性を受け取ってリスクを評価し、リスクが低いと判断した取引では追加認証を省いて決済を通す。逆に不正の疑いが高い取引に限りワンタイムパスワードなどの追加認証を求めるので、安全性と利便性を両立できる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。