システム管理基準とは?しすてむかんりきじゅん
システム管理基準とは、経済産業省が公表する、情報システムの企画・開発・運用・保守を適切に行うための実践規範。監査人が「あるべき状態」を判断する客観的な参照基準として使うもので、監査人自身の倫理・計画・報告の作法を定めるシステム監査基準と対をなす。どちらが被監査側の基準かの区別が応用情報では直接問われる。
最終更新:2026-10-06
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監査で不備を指摘するには、比べる相手となる望ましい状態が必要になる。それを個々の監査人が自分の経験から持ち出していては、担当者が替われば結論が変わり、被監査側も何をどこまで直せばよいのか分からない。公的な参照基準を国が用意することで、指摘の根拠を監査人個人の外に置けるようにしたのがこの基準の狙いである。
具体例
経済産業省が公表しており、財務報告に係るIT統制については「システム管理基準 追補版」が別に用意されている。開発工程の監査で「要件定義について利用部門の承認を得ているか」を確かめる場面なら、確かめるべき望ましい状態の根拠がシステム管理基準、インタビューや突合という手続の進め方の根拠がシステム監査基準にあたる。
試験での引っ掛け
名前が似ているため取り違えやすい。「管理」=被監査組織が守るべき状態(判断尺度)、「監査」=監査人が従う作法。監査報告書で改善を求める根拠になるのは前者の側で、後者を根拠に被監査部門へ改善を求める記述は誤り。またどちらも法令ではなく、遵守そのものが法的に義務づけられているわけではない点も押さえる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問58(IPA)
アジャイル開発を対象とした監査の着眼点として、システム管理基準(平成30年)に照らして、適切なものはどれか。
正解:業務システムの開発チームは、実装された機能について利害関係者へのデモンストレーションを実施し、参加者からフィードバックを得ていること
要点:アジャイル監査では反復ごとのデモとフィードバックを確認する
アジャイル開発では、短い反復ごとに動くソフトウェアを利害関係者に見せ、フィードバックを取り込んで次の反復に生かすことが要となる。監査でも、こうした反復的な確認とフィードバックの仕組みが実際に機能しているかが着眼点になる。工程完了基準に沿った逐次進行を求めるのはウォータフォール型の観点であり、アジャイルの評価軸ではない。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)解説で登場
システム監査基準の意義はどれか。
正解:システム監査業務の品質を確保し、有効かつ効率的な監査を実現するためのシステム監査人の行為規範となるもの
要点:システム監査基準は監査人の行為規範、管理基準は判断の尺度
システム監査基準は、システム監査人が守るべき行為規範を示したものです。監査の品質を一定水準に保ち、有効かつ効率的な監査を実現することを狙いとしています。一方、監査対象を点検・評価するときの判断の尺度を示すのはシステム管理基準で、両者は役割が異なります。
出典:令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
システム管理基準(令和5年)における,ユーザ受入テストに関する監査のチェックポイントとして,適切なものはどれか。
正解:構築された情報システムに,業務要件が適切に反映されていることを確認するために,利用者の立場からテストされていること
要点:ユーザ受入テストは業務要件の充足を利用者の立場で確認する
ユーザ受入テストは、出来上がった情報システムが業務要件を満たしているかを、開発側ではなく利用者の立場から確認するテストである。したがって監査のチェックポイントも、業務要件が適切に反映されているかを利用者の視点で検証しているか、という点になる。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問62(IPA)
システム管理基準(平成16年)によれば、組織全体の情報システムのあるべき姿を明確にする計画はどれか。
正解:全体最適化計画
要点:全体最適化計画は組織全体の情報システムのあるべき姿を示す
システム管理基準では、情報戦略の一環として全体最適化計画を策定することを求めている。これは個々のシステムごとではなく、組織全体の情報システムのあるべき姿と方向性を明確にする計画である。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問64(IPA)
システム管理基準(平成16年)によれば、情報戦略策定段階の成果物はどれか。
正解:経営戦略に基づいて組織体全体で整合性及び一貫性を確保した情報化を推進するために、方針及び目標に基づいて策定する全体最適化計画
要点:情報戦略策定段階の成果物は全体最適化計画
システム管理基準では、情報戦略策定段階の成果物として全体最適化計画が挙げられている。これは経営戦略に基づき、組織全体で整合性と一貫性のある情報化を進めるために、方針と目標に沿って策定するものである。開発計画・開発手順・運用手順は、それぞれ後続の企画・開発・運用の各段階の成果物である。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 1. 情報システム戦略 > (1) 情報システム戦略に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。