システム監査基準とは?しすてむかんさきじゅん
システム監査基準とは、システム監査を行う監査人が守るべき行為規範を、経済産業省が定めた基準。監査の計画・実施・報告とフォローアップの各段階でやるべきことと、独立性・客観性・職業倫理・専門的能力といった監査人自身に求められる要件を示す。何を評価するかの判断尺度は対になるシステム管理基準が持ち、両者は「監査人の側」と「被監査側の物差し」で役割が分かれている。
最終更新:2026-10-06
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監査の結論は、監査人が「問題ない」と述べればそのまま通ってしまう。だからこそ、誰が行っても同じ手続と同じ独立性の下で実施されたと示せなければ、監査報告書は依頼者にとって信用に足る材料にならない。監査人の振る舞いをあらかじめ文書で固定し、結論に至る過程を後からたどれるようにするために基準が置かれている。応用情報では、独立性が保てているか・証拠が十分かという判断の根拠として問われる。
具体例
被監査部門に以前所属していた人をその部門の監査担当から外すという判断は、外観上の独立性の要件に照らしたもので、この基準が根拠になる。監査調書を作成して保管し、報告書では指摘事項と改善のための勧告を書き分ける、といった実務手順も同じく基準に沿って運用される。
試験での引っ掛け
「システム監査基準=監査で見るべき評価項目集」と取り違えやすい。何を見るかの判断尺度はシステム管理基準側にあり、監査基準が定めるのは監査人の行為規範である。また法律ではなく強制力のないガイドラインであり、金融商品取引法に基づく法定監査とは性格が違う点も混同されやすい。
関連用語
出た過去問
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問59(IPA)
システム監査基準(平成30年)における監査手続の実施に際して利用する技法に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:インタビュー法とは、システム監査人が、直接、関係者に口頭で問い合わせ、回答を入手する技法をいう。
要点:インタビュー法は関係者への口頭質問で運用実態を確かめる技法
インタビュー法は、システム監査人が監査対象部門の関係者に直接口頭で問い合わせ、回答を得る技法です。文書からは読み取れない運用の実態を確認できます。他の選択肢は、実施時間や使用ツール、実施主体について実際にはない制約を述べており誤りです。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問59(IPA)
システム監査基準(平成30年)に基づいて、監査報告書に記載された指摘事項に対応する際に、不適切なものはどれか。
正解:システム監査人が、監査対象部門の改善計画を作成する。
要点:監査人は独立性を保ち、改善計画の作成には関与しない
システム監査人は監査対象から独立していなければならず、改善計画そのものを作成すると自らが作ったものを後から評価することになり、独立性と客観性を損なう。改善計画の立案と実施は監査対象部門の責任であり、監査人はその実施状況を確認・助言する立場にとどまる。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問58(IPA)
システム監査基準(平成30年)におけるウォークスルー法の説明として、最も適切なものはどれか。
正解:データの生成から入力、処理、出力、活用までのプロセス、及び組み込まれているコントロールを、システム監査人が、書面上で、又は実際に追跡する。
要点:ウォークスルー法は処理の流れと統制を追跡して確かめる
ウォークスルー法は、データの生成から入力・処理・出力・活用に至る一連の流れを追跡する技法である。処理の各段階に組み込まれた統制(コントロール)が設計どおり機能しているかを、書面上でたどるか、実際の処理に沿って確かめる。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち、システム監査基準(平成30年)に照らして、適切でないものはどれか。
正解:アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては、管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
要点:監査証拠は形式でなく十分性と適切性で判断する
この問題は適切でないものを選ぶ。監査証拠は十分かつ適切であればよく、体裁の整った管理用ドキュメントに限られない。アジャイル開発ではタスクボードや自動テストの実行記録、会議の記録なども有効な監査証拠になり得るため、形式で限定する記述が不適切である。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
システム監査基準(平成30年)に基づいて、監査報告書に記載された指摘事項に対応する際に、不適切なものはどれか。
正解:システム監査人が、監査対象部門の改善計画を作成する。
要点:監査人は改善計画を作らず、実施状況の確認にとどめる
システム監査人は独立性と客観性を保つ必要があり、改善計画の作成といった被監査部門の業務そのものを引き受けてはならない。計画の立案と実施は監査対象部門の責任で行い、監査人はその実施状況を確認・評価するフォローアップの立場にとどまる。助言は行えても実務を代行してはいけない、という線引きが問われている。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。