監査証拠とは?かんさしょうこ
監査証拠とは、監査人が下す結論や指摘を裏づける事実・記録。十分性(量)と適切性(証明力と関連性)の両方が求められ、監査人が自ら入手したもの、写しではなく原本、組織の外部から入手したものほど証明力が高いとされる。入手の経緯と評価は監査調書に残し、報告書の記述と対応づけておく。
最終更新:2026-10-06
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監査の結論は被監査部門の利害と対立することがあり、「そう見えた」では簡単に覆される。第三者が同じ資料をたどれば同じ結論に至る、という再現性を担保するために、結論と事実の対応を証拠として固定する必要がある。同時に、監査対応のためだけの資料作成を開発現場に強いないことも求められる——証拠集めが本業を圧迫しては本末転倒だからである。
具体例
アクセス権が適切に管理されているという結論の裏づけには、監査人が同席して取得した権限一覧のシステム出力、申請書の原本、人事部門の異動・退職者リストとの突合結果を組み合わせる。アクセスログや監査証跡がシステム側に自動で残る作りにしておけば、入手の手間も現場の負担も小さくなる。
試験での引っ掛け
被監査部門が加工して提出した表計算ファイルは、原本でも監査人自身の入手でもないため証明力が低い。また量を集めれば十分性を満たすというものでもなく、監査目的に関連しない資料はいくらあっても意味がない。十分性(量)と適切性(質・関連性)は別々の要件で、片方だけでは結論を支えられない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問58(IPA)解説で登場
システム監査人が監査報告書に記載する改善勧告に関する説明のうち,適切なものはどれか。
正解:調査結果に事実誤認がないことを被監査部門に確認した上で,監査人が改善の必要があると判断した事項を記載する。
要点:改善勧告は監査証拠と事実確認に基づき監査人が独立して記載する
改善勧告は監査証拠に基づき、かつ実現可能なものでなければ意味がない。さらに記載前に調査結果に事実誤認がないことを被監査部門に確認しておく必要がある。ただし勧告するかどうかの判断は監査人が独立して行うものであり、被監査部門の承認を要件とはしない。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問58(IPA)解説で登場
システム監査における“監査手続”として、最も適切なものはどれか。
正解:監査項目について、十分かつ適切な証拠を入手するための手順
要点:監査手続は十分かつ適切な監査証拠を入手するための手順
監査手続とは、監査人が監査目的に照らして意見を裏付けるための、十分かつ適切な監査証拠を入手する具体的な手順のことである。チェックリストによる質問、文書の閲覧、現場の視察、データの再実行などが監査手続にあたる。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち、システム監査基準(平成30年)に照らして、適切でないものはどれか。
正解:アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては、管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
要点:監査証拠は形式でなく十分性と適切性で判断する
この問題は適切でないものを選ぶ。監査証拠は十分かつ適切であればよく、体裁の整った管理用ドキュメントに限られない。アジャイル開発ではタスクボードや自動テストの実行記録、会議の記録なども有効な監査証拠になり得るため、形式で限定する記述が不適切である。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問59(IPA)解説で登場
システム監査における“監査手続”として、最も適切なものはどれか。
正解:監査項目について、十分かつ適切な証拠を入手するための手順
要点:監査手続は十分かつ適切な監査証拠を集めるための手順
監査手続とは、監査人が監査項目について結論を裏付けるだけの十分かつ適切な監査証拠を入手するための具体的な手続です。ヒアリング、閲覧、突合、再実施などの技法を、監査対象に応じて組み立てます。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち、システム監査基準(平成30年)に照らして、適切でないものはどれか。
正解:アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては、管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
要点:監査証拠は文書の体裁でなく十分性と適切性で判断する
監査証拠は、体裁の整った管理用文書に限られない。アジャイル開発ではタスクボードや自動テストの結果、議事の記録など日々の作業から生じる記録も、監査目的に照らして十分かつ適切であれば証拠として利用できる。形式ではなく、証拠としての適切性と十分性で判断するのがシステム監査基準の考え方である。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 1. システム監査 > (5) システム監査の実施(予備調査,本調査,評価,結論)に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。