重み付け総合評価法とは?おもみづけそうごうひょうかほう
重み付け総合評価法は、評価項目ごとに重み(重要度)を設定し、各案の評価点との積和で総合評価値を求めて選定する多基準意思決定の手法である。単位の異なる項目を無次元化して1つの尺度に集約できるため、システム化構想での方式比較、ベンダ選定、パッケージとスクラッチの比較などに使う。実務・試験の双方で要点になるのは、重みの決定が結論を規定するという性質である。したがって重みは提案書を受領する前に定め、選定委員会で合意しておくのが手続的な原則で、事後に重みを調整すれば任意の案を1位にできてしまう。評価点は評価者間で尺度をそろえないと積和の意味が崩れるため、5段階なら各段階の判定基準を文章で定義する。重みを一意に決めにくい場合は、一対比較から重みを導くAHPが上位の枠組みとして使える。
最終更新:2026-10-06
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多基準の意思決定では、評価軸ごとに最良の案が異なるのが普通で、そのままでは順位が付かない。重み付けは、各軸の重要度を数値として明示することで単位の異なる評価を集約し、判断の根拠を文書に残せるようにする手続である。ただし重みの置き方次第で任意の案を1位にできるという性質があり、これは弱点であると同時に、なぜ「提案受領前に重みを合意する」という手順が定義の一部になっているかの理由でもある。つまりこの手法が担保しているのは計算の正しさではなく選定の公正性で、応用情報で調達・ベンダ選定の文脈で問われるのもそのためである。
具体例
基幹システムの更改でベンダ3社を「機能適合度(重み4)・保守体制(重み2)・初期費用(重み1)」で評価する。初期費用が最安のB社は素点合計では1位でも、機能適合度の重みが4であるため総合評価値ではA社に逆転される。稟議でこの結論を通すには「なぜ費用より機能適合度を重く見たのか」——移行後の追加開発費が初期差額を上回る見込みだから、といった根拠を重みの設定時点で議事録に残しておく必要がある。提案書を見た後で重みを議論すると、選定の公正性そのものを問われる。
試験での引っ掛け
素点合計の1位と総合評価値の1位が一致しない設問が典型で、重みを掛けずに合計する誤りを狙っている。重みが比(4:2:1)で与えられたときに正規化(合計を1にする)が必要だと考えるのも誤りで、順位比較が目的であれば単調変換なので結論は変わらない。もう一つ、評価点が「順位」で与えられている表では小さい値ほど良いため、積和の最小値が最良案になる——最大値を選ぶと逆になる。記述式では、選定結果の妥当性を問われたら「重みを提案受領前に合意していること」を根拠として30〜50字で書く。総合評価値の高さそのものは、手続の公正性の説明にはならない。
関連用語
出た過去問
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
あるシステム導入プロジェクトで、調達候補のパッケージ製品を多基準意思決定分析の加重総和法を用いて評価する。製品A〜製品Dのうち、総合評価が最も高い製品はどれか。…
正解:製品C
要点:加重総和法は評価点に重みを掛けた合計で比較する
加重総和法では、各評価項目の点数に重みを掛けて合計します。製品Aは5×7+1×9+4×8=76、製品Bは40+10+20=70、製品Cは45+4+28=77、製品Dは45+7+24=76となり、最も高いのは製品Cです。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 3. 調達計画・実施 > (2) 調達の実施に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。