耐タンパ性とは?たいたんぱーせい
耐タンパ性とは、機器やソフトウェアの内部構造・保持データを、外部から解析・改ざんされにくくする性質。ICカード、HSM、TPM、決済端末など秘密鍵を内部に抱える機器に要求され、分解を検知して鍵を自動消去する、処理時間や消費電力を平準化してサイドチャネル攻撃を難しくする、といった設計で実現する。
最終更新:2026-10-06
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暗号アルゴリズムがいくら強くても、鍵を持った機器そのものが攻撃者の手元にあれば話は別で、分解して読み出す・動作中の消費電力を測って鍵を推定するという攻め方が成立してしまう。数学ではなく実装を狙うこの経路を塞ぐために、機器側の性質として耐タンパ性が要求されるようになった。応用情報では、暗号の強度と実装の強度を別に評価するという線引きと、JCMVPなど第三者評価制度の存在が問われる。
具体例
マイナンバーカードのICチップは署名用の秘密鍵をチップ内で生成・保持し、外部へ読み出せない構造になっている。PCのTPMやスマートフォンのセキュアエレメントも同じ考え方で、鍵を外に出さずチップの中で計算を完結させることで持ち出しを防いでいる。
試験での引っ掛け
耐タンパ性が守るのは内部の解析・改ざんのしにくさであって、通信路の暗号化でも可用性でも、筐体の頑丈さ(堅牢性)でもない。またサイドチャネル攻撃はアルゴリズムを数学的に破るのではなく、処理時間・消費電力・電磁波という実装の副次情報から鍵を推定する攻撃なので、鍵長を伸ばしても防げない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問44(IPA)
ICカードの耐タンパ性を高める対策はどれか。
正解:信号の読出し用プローブの取付けを検出するとICチップ内の保存情報を消去する回路を設けて、ICチップ内の情報を容易に解析できないようにする。
要点:耐タンパ性は内部情報の物理的な解析への耐性
耐タンパ性とは、機器を分解したり信号を観測したりして内部の秘密情報を不正に読み出す行為に対する耐性のことである。プローブの取付けなどの物理的な解析行為を検知して保存情報を消去する回路を設ければ、解析されても情報を得られなくなり、耐タンパ性が高まる。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問22(IPA)
マイクロプロセッサの耐タンパ性を向上させる手法として,適切なものはどれか。
正解:チップ内部を物理的に解析しようとすると,内部回路が破壊されるようにする。
要点:耐タンパ性は物理解析を試みた時点で情報を守る仕組み。
耐タンパ性とは、内部の情報や動作を外部から解析・改ざんされにくくする性質である。マイクロプロセッサでは、パッケージをこじ開けたり配線を露出させたりして物理的に解析しようとすると内部回路が破壊される仕組みを設けることで、鍵などの機密情報の読出しを防ぐ。解析の足がかりになる要素を残さないことが基本方針となる。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問45(IPA)解説で登場
TPM(Trusted Platform Module)に該当するものはどれか。
正解:PCなどの機器に搭載され、鍵生成やハッシュ演算及び暗号処理を行うセキュリティチップ
要点:TPMは鍵生成や暗号処理を行う耐タンパなチップ
TPMは、PCのマザーボードなどに実装される耐タンパ性をもつセキュリティチップである。鍵ペアの生成と安全な保管、ハッシュ演算、暗号化・復号などをチップ内部で行い、鍵をソフトウェアから直接読み出せないようにする。ディスク暗号化の鍵管理や起動時の完全性検証などに使われる。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問44(IPA)解説で登場
TPM(Trusted Platform Module)に該当するものはどれか。
正解:PCなどの機器に搭載され、鍵生成、ハッシュ演算及び暗号処理を行うセキュリティチップ
要点:TPMは鍵生成と暗号処理を担う耐タンパのチップ
TPMは、PCのマザーボードなどに実装される耐タンパ性をもつセキュリティチップである。鍵の生成・保管、ハッシュ演算、暗号処理をチップ内で行い、鍵をソフトウェアから直接読み出せないようにすることで、ディスク暗号化や機器の完全性検証の基盤となる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問40(IPA)
IoTデバイスの耐タンパ性の実装技術とその効果に関する記述として、適切なものはどれか。
正解:IoTデバイスに光を検知する回路を組み込むことによって、ケースが開けられたときに内蔵メモリに記録されている秘密情報を消去できる。
要点:耐タンパ性は内部の解析・改変を防ぐ物理的な耐性
耐タンパ性とは、機器の内部を解析されたり不正に改変されたりすることへの耐性をいう。ケースの開封を光センサで検知して秘密情報を消去する仕組みは、内部を物理的にこじ開けて鍵などを読み出す攻撃を防ぐ典型的な実装である。通信の暗号化や位置追跡は別の目的の対策である。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 3. セキュリティ技術評価 > (1) セキュリティ評価基準に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。