真正性とは?しんせいせい
真正性とは、主張されている利用者・機器・情報が確かに本物であることを確実にする特性。JIS Q 27000が定める情報セキュリティ特性の一つで、機密性・完全性・可用性のCIAに、責任追跡性・否認防止・信頼性とともに加わる拡張要素。ディジタル署名、ディジタル証明書、多要素認証が確保手段になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
対面なら顔と印章で本人を確かめられたが、ネットワーク越しの相手は名乗った文字列でしかない。中身が改ざんされていないこと(完全性)を保証しても、そもそも誰が作ったのか分からなければ責任を追えない。真正性は「相手が名乗りどおりか」を独立した要求として切り出し、鍵と証明書という技術的な裏づけを与えるために置かれた特性である。
具体例
電子契約サービスの契約書には、認証局が発行したディジタル証明書に基づくディジタル署名が付き、公開鍵で検証できることをもって作成者本人の意思表示だと確認できる。制度上の裏づけは電子署名法で、一定の要件を満たす電子署名に押印と同等の推定効を与えている。
試験での引っ掛け
完全性と混同しやすい。完全性は「中身が変わっていないこと」、真正性は「名乗りどおりの主体によるものであること」で、ハッシュ値だけでは真正性は保証できない(誰でも作り直せるため)。否認防止は「後から否定させない」ことで、真正性を前提にした別の特性である。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問39(IPA)解説で登場
メッセージの送受信における署名鍵の使用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:送信者が送信者の署名鍵を使ってメッセージに対する署名を作成し、メッセージに付加することによって、受信者が送信者による署名であることを確認できるようになる。
要点:署名鍵は本人性と改ざん検知のためで秘匿には使わない
デジタル署名では、署名者だけが持つ署名鍵(秘密鍵)でメッセージのハッシュ値を処理して署名を作り、メッセージに添えて送る。受信者は対応する検証鍵(公開鍵)で検証することで、送信者本人が作成したこと(真正性)と、内容が改ざんされていないことを確認できる。署名は内容を秘匿する仕組みではない点に注意が必要である。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問44(IPA)解説で登場
DNSSECの仕様はどれか。
正解:権威DNSサーバで公開鍵を公開し、秘密鍵を使ってリソースレコードにデジタル署名を付与する。DNSキャッシュサーバで、権威DNSサーバから受信したリソースレコードのデジタル署名を検証する。
要点:DNSSECはリソースレコードへの署名と検証で応答の真正性を守る
DNSSECは、DNSの応答が正規の権威サーバから改ざんされずに届いたことを保証する拡張仕様である。権威DNSサーバが秘密鍵でリソースレコードにデジタル署名(RRSIG)を付け、公開鍵(DNSKEY)を公開する。キャッシュサーバは信頼の連鎖(上位の署名で下位の鍵を順に保証する仕組み)をたどって署名を検証し、偽装された応答を排除する。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問37(IPA)解説で登場
DNSSECで実現できることはどれか。
正解:DNSキャッシュサーバが得た応答の中のリソースレコードが、権威DNSサーバで管理されているものであり、改ざんされていないことの検証
要点:DNSSECは署名検証で応答の出自と非改ざんを確かめる仕組み
DNSSECは、ゾーンの各リソースレコードに権威DNSサーバの秘密鍵でデジタル署名を付け、キャッシュDNSサーバが公開鍵で検証する仕組みである。これにより応答が正規の権威サーバに由来し、途中で改ざんされていないこと(出自の真正性と完全性)を確認でき、キャッシュポイズニングへの対策になる。なお通信内容の暗号化は行わない。
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問41(IPA)
JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステムー用語)における真正性及び信頼性に対する定義a〜dの組みのうち、適切なものはどれか。 〔定…
正解:真正性=b、信頼性=a
要点:真正性は主張どおりであること、信頼性は行動と結果の一貫性
JIS Q 27000では、真正性を「エンティティは、それが主張するとおりのものであるという特性」、信頼性を「意図する行動と結果とが一貫しているという特性」と定義している。したがって真正性はb、信頼性はaに対応する。なお、cは可用性、dは機密性の定義である。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (1) 情報セキュリティの目的と考え方に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。