期待値と分散とは?
期待値と分散とは、期待値は各結果の値に確率を掛けて合計した平均的な値、分散はその期待値からのばらつきの大きさ。分散の平方根が標準偏差で、元データと同じ単位になるため実務での比較に使いやすい。意思決定では期待値だけでなく分散を併せて見ることで、平均は同じでもリスクの大きさが違う案を区別できる。
応用情報技術者試験の過去問では10回出題されています(2017年度〜2025年度)。
きたいちとぶんさん
期待値と分散の意味
期待値は各結果の値に確率を掛けて合計した平均的な値、分散はその期待値からのばらつきの大きさ。分散の平方根が標準偏差で、元データと同じ単位になるため実務での比較に使いやすい。意思決定では期待値だけでなく分散を併せて見ることで、平均は同じでもリスクの大きさが違う案を区別できる。
期待値と分散の具体例
期待利益が同じ2案でも、分散が大きい案は大損の可能性を含むため、資金に余裕がなければ分散の小さい案を選ぶ。プロジェクトの工数見積りでも、期待値50人月・標準偏差10人月と分かれば、バッファを何人月積むかを確率的な根拠付きで説明できる。
期待値と分散は試験でどう引っ掛けられる?
独立な確率変数の和では分散も加算できるが、標準偏差は加算できない(平方根を取るのは合計した分散に対して)。また期待値は実際に起こりうる値とは限らず、サイコロの期待値3.5のように出目に存在しない値になる。
期待値と分散と関連する用語
期待値と分散が出た過去問
本社から工場まで車で行くのに、一般道路では80分掛かる。高速道路を利用すると、混雑していなければ50分、混雑していれば100分掛かる。高速道路の交通情報が“順調…
正解:66
要点:情報の的中率で条件付き確率を求めてから期待値を計算する
交通情報が「順調」と発表される確率は0.6×0.8+0.4×0.1=0.52で、このとき高速道路を使う。「渋滞」の確率は0.6×0.2+0.4×0.9=0.48で、このとき一般道路を使う。所要時間の期待値は、順調発表かつ実際に空いている0.48で50分、順調発表だが混雑している0.04で100分、渋滞発表の0.48で80分なので、0.48×50+0.04×100+0.48×80=66.4分となり、約66分。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問75(IPA)ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:施策b、利益増加額の期待値82億円
要点:デシジョンツリーは末端から期待値を戻して最良枝を選ぶ
後ろから期待値を計算する。施策bでは、確率0.3の枝で追加費用40億円を投じると0.4×150+0.6×100-40=80億円となり、追加しない場合の70億円を上回るので80億円を採る。よってbの期待値は0.3×80+0.7×140-40=122-40=82億円である。同様に施策aは0.4×70+0.6×120-30=70億円となり、bのほうが大きい。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問75(IPA)ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:b/82
要点:決定木は末端から期待値を遡り、途中の意思決定点では有利な枝を選ぶ
決定木は末端から遡って期待値を計算します。施策aは、確率0.4の枝で追加投資する場合の期待利益が70億円(追加しない場合の50億円より有利)、確率0.6の枝が120億円なので、0.4×70+0.6×120=100億円から初期費用30億円を引いて70億円です。施策bは、0.3の枝で追加投資する場合が80億円、0.7の枝が140億円なので、0.3×80+0.7×140=122億円から初期費用40億円を引いて82億円となり、bが有利です。
出典:令和1年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問74(IPA)ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:施策b、期待値82億円
要点:決定木は末端から期待値を求め、意思決定点では最大値を採る
枝の先に意思決定の分岐がある場合は、その時点で期待値の高いほうを選ぶものとして計算する。施策aは追加投資の枝が70、他方が120で、0.4×70+0.6×120-30=70となる。施策bは追加投資の枝が80、他方が140で、0.3×80+0.7×140-40=82となり、施策bが有利である。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問75(IPA)受験者1,000人の4教科のテスト結果は表のとおりであり,いずれの教科の得点分布も正規分布に従っていたとする。90点以上の得点者が最も多かったと推定できる教科は…
正解:B
要点:正規分布では標準化得点zが小さい教科ほど高得点者が多い。
正規分布では、90点が平均から標準偏差の何個分離れているか(標準化得点z)が小さいほど、90点以上の人の割合が大きくなる。各教科のzは、A=(90−45)/18=2.5、B=(90−60)/15=2.0、C=(90−70)/8=2.5、D=(90−75)/5=3.0となる。受験者数は共通なので、zが最小のBが90点以上の人数が最も多いと推定できる。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問3(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。