保守プロセス(是正保守・予防保守・適応保守・完全化保守)とは?ほしゅぷろせす
保守プロセス(是正保守・予防保守・適応保守・完全化保守)とは、稼働後のソフトウェアを修正する活動の分類。是正保守は発生した障害の除去、予防保守は潜在障害が顕在化する前の除去、適応保守はOS更新や法改正など環境変化への追随、完全化保守は性能・保守性の改善。是正と予防は不具合、適応と完全化は不具合以外が動機、という軸で整理する。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
納品して終わりだった時代は、修正依頼のたびに「これは無償か有償か」「開発と何が違うのか」を都度もめることになった。動機で4種類に分ければ、契約と費用の線引きができる。応用情報では保守費用の見積や保守契約の設計と結び付けて問われ、実際に修正するときは開発・実装のプロセスを起動して品質を担保する点も論点になる。
具体例
消費税率10%への改定に伴う税率テーブルとレシート様式の改修は適応保守、応答時間短縮のためのインデックス追加とSQL書き換えは完全化保守にあたる。分類の正はJIS X 0161(ISO/IEC 14764の翻訳)で、是正・予防・適応・完全化の4区分を定めている。
試験での引っ掛け
不具合を動機とする保守(是正・予防)と、不具合以外を動機とする保守(適応・完全化)を混ぜないこと。性能改善は完全化保守であって予防保守ではない。また保守だからと開発プロセスを省略してよいわけではなく、実際の修正は開発・実装プロセスを呼び出して行う。
関連用語
出た過去問
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問48(IPA)
オペレーティングシステムの更新によって、既存のアプリケーションソフトウェアが正常に動作しなくなることが判明したので、正常に動作するように修正した。この保守を何と…
正解:適応保守
要点:適応保守はOSなど環境の変化に合わせてソフトを修正すること
適応保守は、OSやハードウェア、法制度など、ソフトウェアを取り巻く環境の変化に合わせてソフトウェアを修正する保守である。OSの更新によって動かなくなったアプリケーションを動くように直す作業はまさに環境変化への適応であり、これに該当する。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問48(IPA)
ソフトウェア保守で修正依頼を保守のタイプに分けるとき、次のa〜dに該当する保守のタイプの、適切な組合せはどれか。 〔保守のタイプ〕 保守を行う時期と修正依頼の分…
正解:a:予防保守、b:完全化保守、c:是正保守、d:適応保守
要点:予防・完全化・是正・適応の4類型は時期と訂正/改良で決まる
JIS X 0161の保守類型では、障害が顕在化する前に行う訂正が予防保守、同じく顕在化前に行う改良(性能・保守性の向上)が完全化保守、発見された問題を直すのが是正保守、環境の変化に合わせるのが適応保守である。この対応にあてはめるとa:予防保守、b:完全化保守、c:是正保守、d:適応保守となる。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問48(IPA)
問題は発生していないが、プログラムの仕様書と現状のソースコードとの不整合を解消するために、リバースエンジニアリングの手法を使って仕様書を作成し直す。これはソフト…
正解:完全化保守
要点:保守性向上を狙った修正は完全化保守に分類される
JIS X 0161ではソフトウェア保守を、是正・予防・適応・完全化の4つに分類する。完全化保守は、引渡し後のソフトウェアの性能や保守性を改善するために行う修正で、障害の発生とは無関係に実施される。仕様書とコードの食い違いを解消して以後の保守をしやすくする作業は、この完全化保守に当たる。
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問48(IPA)
問題は発生していないが、プログラムの仕様書と現状のソースコードとの不整合を解消するために、リバースエンジニアリングの手法を使って仕様書を作成し直す。これはソフト…
正解:完全化保守
要点:完全化保守は障害がなくても行う保守性・性能の改善
完全化保守は、障害が起きていないソフトウェアに対して、性能や保守性を改善するために行う保守である。仕様書とソースコードの不整合を解消して文書を整備する作業は、将来の保守作業をしやすくするための品質向上であり、完全化保守に分類される。故障の修正は是正保守、環境変化への対応は適応保守、潜在的な障害の予防は予防保守である。
出典・参考
公式シラバスの4 開発技術 > 6. 保守・廃棄 > (3) 保守のタイプ及び形態に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。