ESPとは?いーえすぴー
ESPとは、IPsecで暗号化(機密性)と認証・完全性の両方を提供するプロトコル。IPプロトコル番号は50。ESPヘッダとESPトレーラで保護対象を挟み、末尾に認証データを付ける。トランスポートモードでは上位層のデータだけを、トンネルモードでは元のIPヘッダごと保護する。
最終更新:2026-10-06
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IPは、途中の経路で中身を読まれても書き換えられても検知できない前提で作られている。専用線を引かずに公衆網で拠点間を結ぶには、IP層で機密性と完全性を後付けする必要があり、その役目を負ったのがESPである。認証だけを行うAHはアドレス変換と相性が悪く用途も限られたため、実務ではESPに一本化された。拠点間VPNの設計では、どこからどこまでが暗号化の対象になるかが必ず論点になる。
具体例
IETFがRFC 4303として規定しており、拠点間をインターネットVPNで結ぶ構成ではESPのトンネルモードを使う。元のIPヘッダからESPトレーラまでが暗号化され、外側に新しいIPヘッダとESPヘッダが平文で付く。NAPTの内側に拠点を置く場合は、UDP 4500番でくるむNATトラバーサルを併用する。
試験での引っ掛け
認証と完全性だけならAH(プロトコル番号51)で、暗号化まで行うのがESP。ESPの認証範囲に外側の新しいIPヘッダは含まれない。またESPはTCP/UDPではなくプロトコル番号50のIPパケットなので、ポート番号を指定して通す設計はできず、アドレス変換の内側ではUDPカプセル化が必要になる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(IPA)
図はIPv4におけるIPsecのデータ形式を示している。ESPトンネルモードの電文中で、暗号化されているのはどの部分か。
正解:オリジナルIPヘッダからESPトレーラまで
要点:ESPトンネルモードは元IPヘッダ以降を暗号化する
ESPのトンネルモードでは、元のIPパケット全体を新しいIPヘッダでカプセル化する。暗号化の対象は、オリジナルIPヘッダからESPトレーラまでの範囲である。新IPヘッダとESPヘッダは中継に必要なので暗号化されず、ESP認証データは暗号化後のデータに対する完全性チェック値なので対象外となる。
出典:平成30年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
IPsecに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:ESPのトンネルモードを使用すると、暗号化通信の区間において、エンドツーエンドの通信で用いる元のIPヘッダを含めて暗号化できる。
要点:ESPトンネルモードは元のIPヘッダごと暗号化する
ESPのトンネルモードでは、元のIPパケット全体(元のIPヘッダを含む)を暗号化し、その前に新しいIPヘッダを付けて転送する。このため、経路上では実際の通信相手のIPアドレスが見えなくなり、拠点間VPNのように途中経路を隠したい用途に適する。
出典:令和5年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(IPA)
図はIPv4におけるIPsecのデータ形式を示している。ESPトンネルモードの電文中で、暗号化されているのはどの部分か。
正解:オリジナルIPヘッダーからESPトレーラまで
要点:ESPトンネルモードは元IPヘッダーからトレーラまでを暗号化
ESPのトンネルモードでは、元のIPパケット全体(オリジナルIPヘッダーを含む)をESPトレーラとともに暗号化し、その前に新しいIPヘッダーとESPヘッダーを付ける。したがって暗号化範囲はオリジナルIPヘッダーからESPトレーラまでである。ESPヘッダーはSPI(どのSAかを示す識別番号)やシーケンス番号を平文で運び、末尾のESP認証データは完全性検査値なので暗号化されない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(IPA)
IPsecに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:ESPのトンネルモードを使用すると、暗号化通信の区間において、エンドツーエンドの通信で用いる元のIPヘッダーを含めて暗号化できる。
要点:ESPトンネルモードは元のIPヘッダーごと暗号化する
IPsecのESPトンネルモードでは、元のIPパケット全体(元のIPヘッダーを含む)を暗号化し、その外側に新しいIPヘッダーを付けて転送する。そのため経路上では通信相手の本来の送信元・宛先アドレスが見えず、拠点間VPNで広く使われる。トランスポートモードでは元のIPヘッダーは暗号化されない点が対比になる。
出典・参考
高度試験 午前I(情報処理安全確保支援士 相当)のシラバスの3 技術要素 > 5. セキュリティ実装技術 > (1) セキュアプロトコルに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。