移行(データ移行・システム移行)とは?いこう
移行は、古いシステムから新しいシステムへ、データと業務を引き継いで切り替える作業である。項目の意味や形式が違えばデータの変換(コンバージョン)が要り、切替の方式には、一度に全部替える一斉移行、しばらく両方を動かす並行運用、部署や店舗ごとに順に替える段階移行がある。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
新しいシステムは、たいてい古いシステムより項目が細かい。旧システムでは1つの欄に住所をまとめて入れていたものが、新システムでは都道府県と市区町村に分かれる、といったずれが必ず出る。しかも旧システムには、退職者の名前や使われなくなったコードなど、長年の運用で溜まった不整合が残っている。移行が難しいのは移す作業そのものではなく、この食い違いをどう埋め、業務を止められる短い時間の中で終わらせるかにある。
具体例
全国200店舗の東芝テック製POSレジを入れ替える場合、過去の売上データを新しい形式に変換したうえで、まず1店舗で先行して稼働させ、問題が出ないことを確かめてから地域ごとに広げていく。並行運用にすれば安全側に倒せるが、同じ入力を2つのシステムへ行う手間が現場にかかる。
試験での引っ掛け
方式の選び方が問われる。一斉移行は安く速いが失敗したときの影響が全社に及び、並行運用は安全な代わりに現場の二重入力の負担と費用がかかる。また、リハーサルと切り戻し手順を用意せずに一斉移行する計画は不適切とされる。移行は開発の最終段階の作業であり、要件定義や設計の工程とは別に置かれる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問97(IPA)
〔中問D:Webサイトを利用した商品販売〕N社はスポーツ用品の小売販売業者で、実店舗販売の他、インターネットのショッピングサイトを利用した通信販売も行っている。…
正解:a×c×f+b×d×c×f+b×e×f
要点:複数経路の到達率は経路ごとの積の合計で求める
コンバージョン率は、購入手続完了に至る全ての経路の割合を足し合わせて求める。経路はトップから商品紹介を経る流れ、トップからキャンペーン情報を経て商品紹介へ回る流れ、トップからキャンペーン情報を経て直接購入手続へ進む流れの三つがあり、それぞれ各段階のアクセス率を掛け合わせ、最後に合計すればよい。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問98(IPA)
〔中問D:Webサイトを利用した商品販売、ストラテジ〕N社では、広告によるショッピングサイトへの集客策として、1か月のバナー広告と1回のメール広告を比較検討する…
正解:広告によって購入手続完了を1件獲得するためのコストは、B案の方が安い。
要点:広告比較は獲得1件あたりのコストで判断する
A案は表示25万件にクリック率0.8%で2,000クリック、うち5%が完了して100件、費用12万円なので1件あたり1,200円となる。B案は5万件送信で費用20万円、クリック率5%で2,500クリック、うち8%が完了して200件なので1件あたり1,000円である。したがって購入完了1件を得るコストはB案のほうが安い。
出典:平成26年度 秋期 ITパスポート試験 問33(IPA)
現行システムを新システムに切り替えるに当たり、システム移行計画書を作成した。システム移行計画書に記載すべき事項として、適切なものはどれか。
正解:新旧システムの並行運用に関するスケジュール
要点:移行計画書には並行運用など切替えの段取りを書く
システム移行計画書は、現行システムから新システムへ安全に切り替えるための段取りをまとめる文書である。移行の方式や日程、データ移行の手順、切戻し(中止)の判断基準、そして新旧を一定期間同時に動かす並行運用の計画などが記載対象になる。
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験 問51(IPA)
出典:令和7年度 秋期 ITパスポート試験 問46(IPA)解説で登場
開発が完了したソフトウェアを本番環境にインストールする手順を明確にし、それを実施する工程として、適切なものはどれか。
正解:ソフトウェア導入
要点:ソフトウェア導入は本番環境へ組み込み稼働可能にする工程
ソフトウェア導入は、完成したソフトウェアを本番環境へ組み込むための手順や体制を定め、実際にインストールして稼働できる状態にする工程である。導入計画の作成、環境設定、データ移行などを含む。開発したモジュールを組み合わせて確認する統合や、利用者の要求を満たすかを確かめる妥当性確認とは目的が異なる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。