期待値とは?きたいち
期待値とは、ある試行を非常に多くの回数繰り返したときに得られる結果の平均値として理論的に見込まれる値。各結果が起こる確率と、その結果の値(得点や利益など)をそれぞれ掛け合わせて、すべて合計することで計算する。ビジネスの意思決定において、複数の選択肢のリスクとリターンを比較検討する際の重要な指標として使われ、システム開発の見積もりやリスク評価、統計的な予測など幅広い場面で応用される考え方である。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
1回きりの結果は、運がよければ大きく当たり、悪ければ外れて、毎回ばらつく。ばらつく結果を眺めるだけでは、くじや投資のどちらが得なのか決められない。そこで、結果ごとの起こりやすさも考えに入れ、何度も繰り返したときに平均していくらになるかを、決まった形で見積もる考え方が使われる。
具体例
くじ引きで、当たる確率が10%で賞金1,000円のくじの期待値は、0.1×1,000円=100円と計算でき、これが1回あたりの平均的な見込み利益となる。
試験での引っ掛け
期待値は「実際に毎回得られる値」ではなく、多数回試行した場合の理論上の平均値である点を混同しないよう注意する。
関連用語
出た過去問
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問70(IPA)
0から1までの一様乱数からXとYを取り出すことを600回繰り返す。このときY<Xを満たす回数の期待値は幾らか。
正解:300
要点:対称な条件の確率は1/2、期待値は試行回数×確率
XとYは同じ範囲から独立に取り出される一様乱数なので、XがYより大きい確率とYがXより大きい確率は等しく、値が一致する確率は無視できる。したがってY<Xとなる確率は1/2であり、600回繰り返したときの期待値は600×0.5=300回となる。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問7(IPA)
いずれも時価100円の四つの株式があり、そのうちの一つに投資したい。経済の成長が高成長、中成長、低成長の場合、それぞれの株式の予想値上がり幅が表のとおりであると…
正解:B
要点:期待値=各値×確率の合計。最大値だけで判断しない
期待値は「各状況の値×その状況が起こる確率」の合計で求める。確率は高成長0.4、中成長0.4、低成長0.2なので、A=20×0.4+10×0.4+15×0.2=15円、B=30×0.4+20×0.4+5×0.2=21円、C=25×0.4+5×0.4+20×0.2=16円、D=40×0.4+10×0.4+(-10)×0.2=18円となる。したがって期待値が最も大きいのはBである。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問11(IPA)
ある市場が今後、拡大、現状維持、縮小する場合の商品A、B、Cの販売利益が表のとおり見込まれており、拡大、現状維持、縮小する確率がそれぞれ0.2、0.5、0.3で…
正解:B
要点:期待値は各結果×確率の合計、そこから費用を引く
各商品について、販売利益に確率を掛けて合計した期待値から開発コストを引く。Aは60×0.2+50×0.5+40×0.3=49で49−20=29億円、Bは80×0.2+40×0.5+20×0.3=42で42−10=32億円、Cは100×0.2+40×0.5+0×0.3=40で40−15=25億円となる。最も大きいのはBの32億円である。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問24(IPA)
A社と競合B社の相互の意思決定において,A社先手で相互に3手目までの打つ手を次の表のとおり作成した。表の数値は3手目の局面におけるA社の期待値である。A社は自社…
正解:9
要点:相手は自分に不利な手を選ぶ前提で先読みして評価する
3手目はA社が期待値の大きい方を選ぶので、まず各枝の最大値を求める。1手目「値引きする」ではBの選択に応じて9と15、1手目「値引きしない」では0と10になる。次にB社は小さい方を選ぶため、それぞれ9と0に決まる。最後にA社は大きい方を選ぶので、結果として期待値は9億円となる。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問100(IPA)
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。