クラッシングとは?くらっしんぐ
クラッシングとは、スケジュールを縮めるために、要員や設備を追加投入して個々の作業の所要期間を短くする技法。残業や増員によってコストは増えるが、作業の順序関係そのものは変えない点が特徴である。全体の期間を縮めるには、余裕(フロート)がゼロのクリティカルパス上の作業から、追加費用の安い順に短縮していく。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
納期が動かせないのに計画が間に合わない、という場面は実務で必ず起きる。そのときに取れる手は限られており、作業を並行させて順序を崩すか、資源を足して1本ずつを短くするかのどちらかになる。前者は手戻りのリスクを負い、後者は費用を負う。リスクを取るか金を払うかという選択として整理したのが、ファストトラッキングとクラッシングの対比である。
具体例
クリティカルパス上の作業Aは1日縮めるのに5万円、同じくパス上の作業Bは3万円、パス上にない作業Cは1万円かかるとする。全体を2日縮めたいなら選ぶのはBを2日で6万円であり、いちばん安いCをいくら縮めても全体の期間は1日も変わらない。安さだけで選ぶと効果がゼロになる。
試験での引っ掛け
ファストトラッキングとの取り違えが最頻出。資源を足して期間を縮めるのがクラッシング、順番に行うはずだった作業を重ねて実施するのがファストトラッキングで、後者が増やすのは費用ではなく手戻りのリスクである。またクリティカルパス上にない作業を短縮しても全体は縮まらず、余裕を食いつぶすだけで終わる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問52(IPA)
プロジェクトのスケジュールを短縮するために,アクティビティに割り当てる資源を増やして,アクティビティの所要期間を短縮する技法はどれか。
正解:クラッシング
要点:クラッシングは費用をかけて資源を投入し期間を縮める
クラッシングは、要員や設備といった資源を追加投入して個々の作業の所要期間を縮め、全体の日程を短縮する技法である。費用の増加という代償を伴う点が特徴となる。作業を並行させて短縮するファストトラッキングとは手段が異なり、こちらは手戻りのリスクが増える。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問53(IPA)
プロジェクト全体のスケジュールを短縮する技法の一つである“クラッシング”では,メンバの時間外勤務を増やしたり,業務内容に精通したメンバを新たに増員したりする。“…
正解:クリティカルパス上のスケジュールアクティビティ
要点:クラッシングはクリティカルパス上の作業に資源を投じる
全体の所要期間を決めているのはクリティカルパスであり、そこに乗らない作業をいくら早めても全体は縮まらない。したがってクラッシングで残業や増員という追加資源を投じるなら、まずクリティカルパス上のアクティビティに充てるべきである。短縮の結果、別の経路がクリティカルパスに変わる点にも注意したい。
出典:令和8年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問13(IPA)
あるシステム開発プロジェクトの進捗が遅延したので,クリティカルパス上の作業への投入工数を増やすことによって遅延の解消を図った。このとき適用した,所要期間を短縮す…
正解:クラッシング
要点:クラッシングは資源追加で作業期間を短縮する手法
クラッシングは、要員や設備などの資源を追加投入してクリティカルパス上の作業期間を短縮する手法である。コストは増えるが期間は縮まるという関係にあるため、費用対効果を見ながら適用する。作業を並行させて短縮するファストトラッキングとは手段が異なる。
出典・参考
公式シラバスの5 プロジェクトマネジメント > 6. プロジェクトの時間 > (3) ツールと技法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。