ハードウェア/ソフトウェア協調設計とは?
ハードウェア/ソフトウェア協調設計とは、システムの機能をハードウェアで実現する部分とソフトウェアで実現する部分に切り分け(機能分割)、その妥当性を早期にシミュレーションで検証しながら、両者を並行して開発する手法。開発期間の短縮と、性能・コストの最適な配分を狙う。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の過去問では12回出題されています(2016年度〜2025年度)。
はーどうぇあ/そふとうぇあきょうちょうせっけい
ハードウェア/ソフトウェア協調設計の意味
システムの機能をハードウェアで実現する部分とソフトウェアで実現する部分に切り分け(機能分割)、その妥当性を早期にシミュレーションで検証しながら、両者を並行して開発する手法。開発期間の短縮と、性能・コストの最適な配分を狙う。
ハードウェア/ソフトウェア協調設計の具体例
画像フィルタ処理を専用回路に、パラメータ制御をソフトに割り当て、命令セットシミュレータとRTLシミュレーションを協調させて全体を検証する。
ハードウェア/ソフトウェア協調設計は試験でどう引っ掛けられる?
「ハードを先に作ってからソフトを載せる」従来手法との対比で問われる。切分け自体を検証対象にする点が要点。
ハードウェア/ソフトウェア協調設計と関連する用語
ハードウェア/ソフトウェア協調設計が出た過去問
リアルタイムシステムにおいて、アプリケーションタスクの要求によって入出力を行うデバイスドライバのタスク部が、要求された処理が完了したときに行う通知処理はどれか。
正解:イベントフラグを使って入出力要求元のタスクに入出力完了を通知する。
要点:完了通知はOSでなく要求元タスクへ同期機能で行う
デバイスドライバのタスク部は、割込みハンドラから処理完了を受け取ったあと、その事実を要求元のアプリケーションタスクへ知らせる必要がある。リアルタイムOSではイベントフラグやセマフォといった同期機能を使い、完了を待って待ち状態になっているタスクを実行可能状態へ戻す。通知の相手はOSやハードウェアではなく、あくまで待っているタスクである。
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問7(IPA)組込みシステムにおけるハードウェアとソフトウェアのコデザインの説明として適切なものはどれか。
正解:ハードウェアとソフトウェアの切分けをシミュレーションによって十分に検証し、その後もシミュレーションを活用しながらハードウェアとソフトウェアを並行して開発していく手法
要点:コデザインはハード・ソフトの切分けを検証しつつ並行開発
コデザインは、どの機能をハードウェアで実現し、どこからをソフトウェアで担うかという切分けそのものを設計対象とし、シミュレーションで妥当性を確かめながら決めていく手法である。切分けが固まった後も、実機ができる前からシミュレータ上で両者を突き合わせて検証できるので、ハードとソフトを並行して開発でき、開発期間を短縮しつつ手戻りを減らせる。
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問21(IPA)スーパスカラの説明として、適切なものはどれか。
正解:複数のパイプラインを用い、同時に複数の命令を実行可能にすることによって、高速化を図る方式である。
要点:スーパスカラは複数パイプラインで同時に複数命令を実行
スーパスカラは、演算器やパイプラインを複数系統持たせ、依存関係のない命令を同じサイクルに複数投入して並列に実行させる方式である。1サイクルあたりの命令実行数を1より大きくできる点が本質で、命令の並べ替えや依存解析はハードウェアが動的に行う。命令語を長くして並列度をコンパイラに委ねるVLIWとは対照的である。
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問1(IPA)メモリマップドI/OのI/Oポートにアクセスするプログラムをc言語で記述するときの注意点として、適切なものはどれか。
正解:コンパイラによる最適化を抑止するために、volatile型修飾子を付けて宣言した変数へのポインタとしてアドレスを指定して、アクセスする。
要点:メモリマップドI/Oはvolatile付きポインタで最適化を抑止する
メモリマップドI/Oでは、I/Oレジスタが主記憶と同じアドレス空間に割り付けられ、通常のメモリアクセスと同じ手段で読み書きする。ただしI/Oレジスタの値はハードウェア側が勝手に書き換えるため、コンパイラが「値は変わらない」と判断してアクセスを削除したり順序を入れ替えたりすると正しく動作しない。そこでvolatile型修飾子を付けたポインタ経由でアクセスし、最適化による読み書きの省略・並べ替えを抑止するのが定石である。
出典:平成30年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問1(IPA)組込みシステムの特許におけるライセンスに関する記述として、適切なものはどれか。
正解:新規開発した組込み製品のハードウェア部分だけが、他社の特許に抵触している場合、その部分のライセンスを得ずに販売すると権利侵害になる。
要点:抵触する部分は許諾を得なければ製造販売が権利侵害になる
特許権は請求項に記載された技術的範囲に及び、その範囲に含まれる実施行為はライセンスなしには行えない。製品のうちハードウェア部分だけが他社特許に抵触する場合でも、その部分の実施許諾を得ずに製造・販売すれば特許権の侵害となる。ライセンスは特許ごとに個別に取得でき、複数社の特許が関係していてもそれぞれから許諾を得れば製品化は可能である。
出典:平成30年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問25(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。