特許権とは?とっきょけん
特許権とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、新規性・進歩性のある発明を独占的に実施できる権利。出願日から20年で満了し、出願・審査・登録を経て初めて発生する(先願主義)。制御方式・回路構成・信号処理アルゴリズムといった組込みの中核技術が対象で、シラバスでも他社の知的財産権の調査が独立した節に立っている。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
技術を秘密にしたまま製品を出せば、分解すれば分かる仕組みは真似され、逆に隠し通せば知識が社会に残らない。公開する代わりに一定期間の独占を与える取引にしたのが特許制度で、公開と独占のどちらか一方ではなく交換になっている点が肝になる。ESの読者は技術そのものより、この権利と実施可否をめぐる語彙のほうで詰まりやすい。
具体例
ボッシュが1980年代に発表したCANは、規格として広く実装され、採用側はライセンス条件を確認したうえで製品に載せてきた。自社で消費電力を抑える独自の間欠動作方式を開発したなら、学会発表や展示会での公開より先に出願する——自らの公表で新規性を失うと権利化できない。
試験での引っ掛け
特許を取れば自社製品を自由に作れる、ではない。他社特許を含む構成なら実施できず、権利を取ることと実施の自由を得ることは別問題として繰り返し問われる。ソフトウェアは著作権でも保護されるが、著作権が守るのは表現でありアイデアではない——方式そのものを押さえたいなら特許側になる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(IPA)解説で登場
特許のサブライセンスの説明として、適切なものはどれか。
正解:特許の実施権の許諾を受けた者が、更に第三者に当該特許の実施権を許諾すること
要点:サブライセンスは実施権者が第三者へ行う再実施許諾
サブライセンスとは、特許権者から実施権の許諾を受けた者が、その権利の範囲内でさらに別の第三者へ実施を許諾することをいう。再実施許諾とも呼ばれ、特許権者との契約でこれを認める定めがある場合に限って行える。改良発明の扱いや独占の有無は、それぞれグラントバックや独占的実施権という別の論点である。
出典:平成30年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(IPA)解説で登場
組込みシステムの特許におけるライセンスに関する記述として、適切なものはどれか。
正解:新規開発した組込み製品のハードウェア部分だけが、他社の特許に抵触している場合、その部分のライセンスを得ずに販売すると権利侵害になる。
要点:抵触する部分は許諾を得なければ製造販売が権利侵害になる
特許権は請求項に記載された技術的範囲に及び、その範囲に含まれる実施行為はライセンスなしには行えない。製品のうちハードウェア部分だけが他社特許に抵触する場合でも、その部分の実施許諾を得ずに製造・販売すれば特許権の侵害となる。ライセンスは特許ごとに個別に取得でき、複数社の特許が関係していてもそれぞれから許諾を得れば製品化は可能である。
出典:平成31年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(IPA)解説で登場
A社は、保有する特許の専用実施権を、組込み機器システムを開発して販売するB社に許諾した。A社又はB社が受ける制限に関する説明のうち、適切なものはどれか。ここで、…
正解:A社は、許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
要点:専用実施権の設定範囲では特許権者自身も実施できない
専用実施権は特許庁の特許原簿に設定登録することで発生する独占的・排他的な実施権である。設定された範囲では専用実施権者だけが業として特許発明を実施でき、特許権者自身もその範囲では実施できなくなる点が通常実施権との大きな違いである。また同じ範囲について重ねて専用実施権を設定することもできない。
出典:令和4年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(IPA)解説で登場
A社は、保有する特許の専用実施権を、組込み機器システムを開発して販売するB社に許諾した。A社又はB社が受ける制限に関する説明のうち、適切なものはどれか。ここで、…
正解:A社は、B社に許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
要点:専用実施権を設定すると特許権者自身も実施できなくなる
専用実施権は特許原簿への設定登録によって効力が生じ、設定された範囲では実施権者だけが業として特許発明を実施できる独占的な権利である。その反射として、特許権者自身も設定範囲内では当該発明を実施できなくなる。この点が、権利者も併存して実施できる通常実施権との決定的な違いである。
出典:令和6年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(IPA)解説で登場
A社は、保有する特許の専用実施権を、組込み機器システムを開発して販売するB社に許諾した。A社又はB社が受ける制限に関する説明のうち、適切なものはどれか。ここで、…
正解:A社は、B社に許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
要点:専用実施権の設定範囲では特許権者も実施できない
専用実施権は特許原簿への設定登録によって効力を生じ、設定された範囲では実施権者だけが業として発明を実施できる独占的な権利である。その結果として、特許権者自身もその範囲では発明を実施できなくなる。権利者も併存して実施できる通常実施権との最大の違いがこの点である。
出典・参考
公式シラバスの6 組込みシステムの機能要件把握 > 6-2 IoT を含む関連技術,他関連企業の知的財産権,関連規制の調査に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。