JIS Q 38500とは?じすきゅーさんまんはっせんごひゃく
JIS Q 38500とは、組織におけるITガバナンスの規格で、ISO/IEC 38500を基にした日本産業規格。経営者がITの利用を評価し(Evaluate)、方向づけ(Direct)、モニタする(Monitor)というEDMモデルと、責任・戦略・取得・パフォーマンス・適合・人間行動の6原則を示す。ITの管理を実務者に委ねきらず、経営者自身の責務として位置づける点が要点。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
IT投資の失敗が経営問題として表面化したとき、責任の所在がIT部門へ押し戻される構図が繰り返された。決定しているのは経営であるにもかかわらず、専門性を理由に説明責任だけが下位へ流れる。この構造を断つため、経営者が果たすべき行為をEDMという最小限の型と6原則で規定した。監査人にとっては、経営者の責務そのものを評価するための基準として使える。
具体例
監査人は、IT投資の意思決定が経営会議で行われた記録(評価)、方針として示された文書(方向づけ)、実績を定期的に経営層へ報告させる仕組み(モニタ)の三つが揃っているかを確かめる。実績報告が担当部門内で完結していれば、モニタの責務が果たされていないと評価できる。
試験での引っ掛け
経営者が何をすべきかの原則を示す規格であって、実施すべき管理策の一覧を与えるものではない。管理策を体系的に示すのはCOBITやITILの役割で、統治と管理を混同した選択肢が定番である。認証を取得する種類の規格でもない。
関連用語
出た過去問
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
システム管理基準(平成30年)において,ITガバナンスにおける説明として採用されているものはどれか。
正解:EDMモデル
要点:ITガバナンスは評価・指示・モニタからなるEDMモデルで説明される
システム管理基準の平成30年版は、ITガバナンスの説明にEDMモデルを採用している。これはJIS Q 38500に由来する考え方で、経営陣が評価し、指示し、モニタするという三つの行為でITの利用を統治するという枠組みである。マネジメント層が回すPDCAサイクルとは階層が異なる点を押さえておきたい。
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問3(IPA)解説で登場
システム管理基準(平成30年)において,経営陣がITガバナンスを成功に導くために採用することが望ましい原則としているものはどれか。
正解:責任,戦略,取得,パフォーマンス,適合,人間行動
要点:ITガバナンスの原則は責任・戦略・取得など六つで構成される
システム管理基準はJIS Q 38500の考え方を取り入れ、ITガバナンスの原則として責任、戦略、取得、パフォーマンス、適合、人間行動の六つを掲げている。経営陣はこれらの原則に照らして、ITの利用が組織の目的に沿っているかを評価・指示・モニタする。管理原則や品質マネジメント原則と混同しやすい。
出典:令和3年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
システム管理基準(平成30年)において、ITガバナンスにおける説明として採用されているものはどれか。
正解:EDMモデル
要点:ITガバナンスは経営陣が評価・指示・モニタを回すEDMモデルで説明される
システム管理基準(平成30年)は、ITガバナンスの説明にJIS Q 38500系のEDMモデルを採用している。経営陣が、ITの利活用を評価(Evaluate)し、方向づけ(Direct)、その実施状況を監視(Monitor)するという三つの行為の繰り返しでガバナンスを働かせる考え方である。EDMはマネジメント側のPDCAを経営陣が外から統治する枠組みであり、両者は階層が異なる。
出典:令和4年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問8(IPA)解説で登場
システム管理基準(平成30年)において、経営陣がITガバナンスを成功に導くために採用することが望ましい原則としているものはどれか。
正解:責任、戦略、取得、パフォーマンス、適合、人間行動
要点:ITガバナンスの原則は責任・戦略・取得・パフォーマンス・適合・人間行動
システム管理基準はITガバナンスの原則としてJIS Q 38500の六つの原則を掲げている。すなわち、責任、戦略、取得、パフォーマンス、適合、人間行動である。経営陣はこれらの原則を踏まえ、EDM(評価・指示・モニタ)によってITの利活用を統治する。他の選択肢はOODAループ、ファヨールの管理過程、品質マネジメントの7原則であり、いずれも別の枠組みである。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの6 サービスマネジメント > 2. 内部統制 > (2) IT ガバナンスに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。