独占禁止法・下請法とは?どくせんきんしほう・したうけほう
独占禁止法・下請法とは、公正な競争を市場全体に対して守るのが独占禁止法、そのうち親事業者と下請事業者という力の差が固定した取引だけを切り出し、具体的な義務を課すのが下請法である。前者は私的独占・不当な取引制限(カルテル、入札談合)・不公正な取引方法を禁じ、後者は発注書面の交付、受領日から60日以内の支払、減額や買いたたきの禁止といった行為規範を並べる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
優越的地位の濫用は独占禁止法でも禁じられているが、市場への影響と濫用の事実を個別に立証する必要があり、立場の弱い側が声を上げてから救済が届くまでに時間がかかる。そこで資本金という形式基準だけで適用対象を決め、禁止行為を列挙して立証の負担をなくしたのが下請法である。応用情報でこれが問われるのは、多重下請構造のシステム開発で受験者自身が発注側の担当者になりうるからで、契約実務の判断基準として扱われる。
具体例
運用を担うのは公正取引委員会と中小企業庁で、毎年、発注側と受注側の双方へ書面調査を送り、支払遅延や減額の有無を確認している。違反が見つかれば勧告と企業名の公表という形で是正させる。2025年の改正では「買いたたき」の判断基準の明確化とともに、法律名自体を中小受託取引適正化法へ改めることが決まっている。
試験での引っ掛け
適用の広さが逆になりやすい。独占禁止法は事業者全般に及ぶのに対し、下請法が働くのは資本金区分で親事業者・下請事業者と判定された当事者間の取引に限られる。行為の振り分けも問われ、カルテル・入札談合・私的独占は独占禁止法、支払遅延・不当な減額・買いたたき・受領拒否は下請法の側に並ぶ。支払期日を受領日から60日以内と数字で縛るのは下請法だけである。
関連用語
出た過去問
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問78(IPA)
ソフトウェア開発を、下請法の対象となる下請事業者に委託する場合、下請法に照らして、禁止されている行為はどれか。
正解:顧客が求める仕様が確定していなかったので、発注の際に、下請事業者に仕様が未記載の書面を交付し、仕様が確定した時点では、内容を書面ではなく口頭で伝える。
要点:下請法は発注内容の書面交付を義務付ける。口頭では足りない
下請法は、親事業者に対して発注内容を明確に記した書面を直ちに交付する義務を課している。仕様が定まっていない場合でも、確定した時点で速やかに書面で補充して交付しなければならず、口頭で伝えて済ませることは認められない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。