システム監査報告書とは?しすてむかんさほうこくしょ
システム監査報告書とは、監査人が形成した結論と意見を、監査を依頼した側へ返す文書。目的・範囲・実施時期に加え、指摘事項とその根拠、改善提案を記載する。宛先は経営者など依頼者であって被監査部門ではなく、記載内容は監査調書によって裏付けられていなければならない。
最終更新:2026-10-06
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監査の価値は、問題を見つけたこと自体ではなく、権限を持つ者が動くところにある。被監査部門へ直接伝えるだけでは、資源も権限も伴わないまま現場の努力目標に終わりかねない。依頼者である経営者へ報告し、そこから改善の指示が下りる経路にすることで、指摘が是正へつながる。監査人が実施責任を負わない構造も、この報告経路によって保たれる。
具体例
内部監査室が「退職者アカウントの停止が平均5営業日遅れている」という事実と影響、改善提案を報告書にまとめて社長へ提出する。指示を受けた情報システム部が改善計画を作って実行し、監査人は後日フォローアップで実施状況を確かめる、という流れになる。
試験での引っ掛け
提出先を被監査部門とする選択肢は誤り。監査人が改善を直接命令したり自ら改善作業を行ったりするのも誤りで、実施責任は被監査部門と経営者にあり、監査人は報告と助言、そしてフォローアップにとどめる。踏み込めば独立性を失い、次回その領域を監査できなくなる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問59(IPA)
システム監査報告書に記載された改善勧告への取組みに対する監査人のフォローアップとして、適切なものはどれか。
正解:改善勧告に対する被監査部門の改善実施状況を確認する。
要点:フォローアップは改善状況の確認にとどめ独立性を保つ
フォローアップは、改善勧告に対して被監査部門がどこまで対応したかを確認し、必要に応じて助言する活動です。改善そのものを実施したり、実施計画を策定したり、プロジェクトを管理したりすると、監査人が自ら手掛けた対象を評価することになり、監査の独立性・客観性が損なわれます。あくまで確認にとどめる点が重要です。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問58(IPA)
システム利用者に対して付与されるアクセス権の管理状況の監査で判明した状況のうち、監査人がシステム監査報告書で報告すべき指摘事項はどれか。
正解:退職・異動したシステム利用者に付与されていたアクセス権の削除・変更は、定期人事異動がある年度初めに全てまとめて行われていた。
要点:退職・異動時のアクセス権は都度速やかに削除する
退職者や異動者のアクセス権が年度初めまでそのまま残るということは、権限のない者がシステムを利用できる期間が生じることを意味する。これは不正アクセスや情報漏えいにつながる重大な問題であり、監査報告書で指摘すべき事項に当たる。アクセス権の削除・変更は事由の発生の都度、速やかに行う必要がある。
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問59(IPA)
システム監査報告書の改善提案に対し、システム監査人が行うフォローアップとして、適切なものはどれか。
正解:改善提案に対する監査対象部門の改善状況をモニタリングする。
要点:フォローアップは監査人が改善状況をモニタリングすること
フォローアップは、監査報告書で示した改善提案が実際に実行されているかを監査人が確認する活動である。改善の実施責任は監査対象部門にあり、監査人はその状況を継続的にモニタリングして必要なら助言するにとどまる。自ら指示や管理、計画策定を行うと独立性を損なう。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 1. システム監査 > (6) システム監査の報告とフォローアップに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。