MTBSI(平均サービス・インシデント間隔)とは?えむてぃーびーえすあい
MTBSI(平均サービス・インシデント間隔)とは、あるインシデントの発生から次のインシデントの発生までの平均時間。稼働していた時間と停止していた時間の両方を含むため、定義上 MTBSI=MTBF+MTRS が成り立つ。サービス可用性管理でMTBF・MTRSと並べ、可用性を上げるにはどちらを改善すべきかを分解して見るための指標。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
「年に何回止まったか」だけでは、1回あたり数分で戻るサービスと半日止まるサービスが同じ評価になってしまう。発生間隔・稼働時間・復旧時間を別々の量として定義すると、対策を「壊れにくくする(MTBFを伸ばす)」に投じるか「早く戻す(MTRSを縮める)」に投じるかを、費用対効果の議論に乗せられる。JIS Q 20000-1のサービス可用性管理が扱う領域にあたる。
具体例
観測期間1,000時間のうち稼働が980時間・停止が20時間で、インシデントが4回起きたとする。MTBSI=1,000÷4=250時間、MTBF=980÷4=245時間、MTRS=20÷4=5時間となり、245+5=250で定義どおり一致する。可用性は980÷1,000で98%。
試験での引っ掛け
MTBFは故障と故障の間の「稼働」時間、MTBSIは発生から発生までの「総経過」時間で、差は停止時間を含むかどうか。計算問題では分子に稼働時間だけを置くか総時間を置くかで答えが変わる。MTRS(サービス復旧までの時間)とMTTR(修理そのものに要する時間)も別物で、MTBSIの分解に入るのはMTRSのほうである。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問56(IPA)
ITIL 2011 editionでは、可用性管理における重要業績評価指標(KPI)の例として、“保守性を表す指標値”の短縮を挙げている。保守性を表す指標に該当…
正解:平均サービス回復時間
要点:保守性は復旧時間で測り、信頼性は故障間隔で測る
保守性は、障害が起きたサービスをどれだけ速やかに復旧できるかを示す性質であり、平均サービス回復時間(MTRS)のような復旧に要する時間で測る。これを短縮すれば停止時間が減り可用性が高まる。一方、平均故障間隔や平均サービス・インシデント間隔は、故障の起きにくさすなわち信頼性を表す指標である。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問2(IPA)解説で登場
コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間がT秒…
正解:50
要点:M/M/1の平均待ち時間はρ/(1−ρ)×平均サービス時間。
M/M/1モデルでは、平均待ち時間(行列に並ぶ時間)は「利用率ρ÷(1−ρ)×平均サービス時間」で求まる。平均サービス時間がT秒なので、待ち時間がT秒以上になる条件はρ/(1−ρ)≧1、すなわちρ≧0.5である。よって利用率50%以上のときに平均待ち時間がT秒以上となる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問2(IPA)
ATM(現金自動預払機)が1台ずつ設置してある二つの支店を統合し、統合後の支店にはATMを1台設置する。統合後のATMの平均待ち時間を求める式はどれか。ここで、…
正解:2ρ/(1-2ρ)×Ts
要点:M/M/1の待ち時間はρ/(1-ρ)×Ts、統合で利用率は2ρになる
M/M/1では平均待ち時間 Wq = ρ/(1-ρ)×Ts で、ρは利用率。統合すると利用者数(到着率)が2倍になり、サービス時間Tsは変わらないので、統合後の利用率は 2ρ になる。これを式に代入すると 2ρ/(1-2ρ)×Ts が得られる。窓口を1つにまとめても、利用率が上がる分だけ待ち時間は増える点に注意する。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問3(IPA)解説で登場
M/M/1の待ち行列モデルにおいて、窓口の利用率が25%から40%に増えると、平均待ち時間は何倍になるか。
正解:2.00
要点:M/M/1の待ち時間はρ/(1-ρ)に比例して急増する
M/M/1モデルでは、平均待ち時間は平均サービス時間×ρ/(1-ρ)で表され、利用率ρだけで倍率が決まる。ρ=0.25では0.25/0.75=1/3、ρ=0.40では0.40/0.60=2/3となる。比を取ると2倍であり、利用率が高くなるほど待ち時間が急激に伸びることが分かる。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問1(IPA)解説で登場
M/M/1の待ち行列モデルにおいて、窓口の利用率が25%から40%に増えると、平均待ち時間は何倍になるか。
正解:2.00
要点:M/M/1の待ち時間はρ/(1-ρ)に比例し、利用率上昇で急増する
M/M/1では平均待ち時間は「ρ/(1-ρ)×平均サービス時間」で表され、利用率ρが上がるほど急激に伸びる。ρ=0.25なら0.25/0.75=1/3、ρ=0.40なら0.40/0.60=2/3となる。(2/3)÷(1/3)=2で、平均待ち時間はちょうど2倍になる。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 2. サービスマネジメントシステムの計画及び運用 > (18) サービス可用性管理に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。