著作者人格権とは?ちょさくしゃじんかくけん
著作者人格権とは、著作者の人格的な利益を守る権利で、公表するかを決める公表権、名義の表示を決める氏名表示権、意に反する改変を受けない同一性保持権の3つからなる。財産権としての著作権と違って著作者本人に一身専属し、譲渡も相続もできない。そのため受託開発では、権利を買い取っても改修の自由が当然には得られない点が実務の要点になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
著作物には、売って対価を得るという財産の側面と、自分の作品として世に出るという人格の側面が同居する。財産権だけを扱う仕組みでは、原稿を買った側が著者名を消して中身を書き換えても止められない。金銭で移転できない権利を別に立てることで、対価の取引と作り手の名誉を切り分けているのがこの構成である。
具体例
情報処理推進機構(IPA)が公開するシステム開発の契約書ひな形では、著作権の譲渡条項とあわせて著作者人格権の不行使特約が置かれている。これがないと、発注者が納品後にプログラムを改修した際に同一性保持権の侵害を主張されうるため、保守を前提とする契約では必ず確認する箇所になる。
試験での引っ掛け
「著作権を全部譲り受けた」としても人格権は移らないため、改変の自由はそこからは出てこない——不行使特約の有無で判断する。加えて譲渡契約で第27条(翻案権等)と第28条を個別に明記しないと譲渡人に留保されたと推定されるので、「著作権一切を譲渡する」の一文だけでは改修も二次利用も押さえられない。
関連用語
出た過去問
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問50(IPA)
委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に、“委託先は著作者人格権を行使しない”という記載があった。これはどのような問題の発生を防ぐた…
正解:納品されたソフトウェアを委託先の了解なく委託元で修正できなくなること、又は他の会社に修正を依頼できなくなることを防ぐ。
要点:著作者人格権不行使特約は同一性保持権による改変制限を避けるため
著作者人格権には公表権・氏名表示権・同一性保持権があり、財産権としての著作権を委託元へ譲渡しても、人格権は著作者である委託先に残り譲渡できない。同一性保持権が行使されると委託元が納品物を無断で改変できなくなるため、不行使の特約を置いてソフトウェアの修正や他社への改修依頼を可能にしている。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 1. 知的財産権 > (2) 著作権法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。