伝送速度(bps)とは?でんそうそくど
伝送速度は単位時間あたりに伝送できるビット数で、単位はbps。回線の公称値は物理層の理論上限(帯域)であり、上位層で実際に得られるスループットとは区別する。両者を隔てるのはプロトコルオーバヘッド(ヘッダ、確認応答、再送)、回線利用率、機器の処理能力、そしてTCPの場合はウィンドウサイズとRTTの関係である。ここが実務で効く境界で、スループットの上限はおおよそウィンドウサイズ÷RTTで決まるため、遅延の大きい長距離回線では帯域を増やしても速度が伸びない(帯域遅延積が大きい経路の問題)。転送時間の見積りは「データ量(ビット)÷(回線速度×回線利用率)」で求め、ファイルサイズがバイトで与えられていれば8倍してビットに直す。この計算は容量設計・移行時間の見積り・バックアップ設計で繰り返し使う。
最終更新:2026-10-06
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回線速度が公称値として示されるのは物理層の上限を測った値だからで、実際に得られるスループットは上位層の事情に左右される。特にTCPは、送った分の確認応答を待ってから次を送る仕組みを持つため、往復に時間がかかる経路では帯域が空いていても送り出せない——ウィンドウサイズとRTTという、帯域とは別の要因が律速になる。帯域遅延積という考え方が要るのはこのためである。応用情報でこの計算が繰り返し問われるのは、移行時間やバックアップ設計の見積り、そして「遅いから増速する」という誤った打ち手を止める判断が、どちらもこの区別に乗っているからである。
具体例
本社と海外拠点の間でDBのフルバックアップ転送が想定の3倍かかった、という報告に対し、回線を1Gbpsへ増速しても改善しないことがある。RTTが200msでウィンドウサイズが64KBなら、理論上のスループットは約2.6Mbpsで頭打ちになり、帯域は余っているのに遅い状態になる。打ち手はウィンドウスケールの有効化や並列セッション化であって、回線契約の見直しではない——見積の押し問答になる前に、どちらが律速かを実測で示す。
試験での引っ掛け
ビットとバイトの換算(8倍)を落とすと答えが8分の1になり、選択肢にその値が必ず用意されている。K・M・Gが通信では10進(10^3)、記憶容量では2進(2^10)で扱われる場合がある点も、問題文の指定に従う。伝送効率(回線利用率)が与えられていれば分母に掛けるのを忘れない。もっと本質的な境界として、帯域(bps)とレイテンシ(RTT)は別の指標であり、「遅い」の原因がどちらかで対策が変わる。記述式では「帯域は空いているがRTTが大きくウィンドウが小さいため」のように、律速要因を名指しして30〜50字で書く。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問31(IPA)
2台の端末と2台のレイヤ3スイッチが図のようにLANで接続されているとき,端末Aがフレームを送信し始めてから,端末Bがそのフレームを受信し終わるまでの時間は,お…
正解:0.64
要点:蓄積転送では各区間の伝送時間と各装置の処理時間を足す。
1フレームは1,000バイト=8,000ビットで、100Mビット/秒では送出に80マイクロ秒(0.08ミリ秒)かかる。区間は端末A−スイッチ、スイッチ間、スイッチ−端末Bの3つあるので伝送だけで0.24ミリ秒である。これに2台のスイッチの処理時間0.2ミリ秒×2=0.4ミリ秒を加え、合計およそ0.64ミリ秒となる。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問33(IPA)
伝送速度30Mビット/秒の回線を使ってデータを連続送信したとき、平均して100秒に1回の1ビット誤りが発生した。この回線のビット誤り率は幾らか。
正解:3.33×10^-10
要点:ビット誤り率=誤りビット数÷送信総ビット数
100秒間に送られるビット数は30×10^6×100=3×10^9ビットである。この間に1ビットの誤りが生じたので、ビット誤り率は1÷(3×10^9)=約3.33×10^-10となる。ビット誤り率は誤りビット数を送信総ビット数で割った値である。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. ネットワーク方式 > (6) 回線に関する計算に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。