特許戦略とは?とっきょせんりゃく
特許戦略は、自社の技術を特許として出願して独占するか、出願せずに社内の秘密として守るか、あえて他社に使わせて広めるかを、事業の狙いに合わせて計画的に選ぶ取り組み。特許権を持つと、出願から原則20年、その発明を他社に無断で使わせない権利が得られる。手段として、自社と他社の特許を互いに使えるようにするクロスライセンス、自社が持つ特許の全体を事業ごとに整理して強み・弱みを見る特許ポートフォリオなどがある。ITパスポートでは、これらの手段の説明を選ばせる形で出題される。
最終更新:2026-10-10
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苦労して開発した技術も、そのままでは他社にすぐまねされ、開発費を回収できない。特許を取れば一定期間は独占できるが、出願した内容は原則として1年6か月後に公開されるので、競合に技術の中身を教えることにもなる。さらに、製品一つに何百もの特許が関わる電機や自動車の業界では、他社の特許を一切使わずに製品を作るのは難しい。そこで「何を権利にし、何を隠し、何を他社と融通し合うか」を経営の判断として決める必要が生まれた。
具体例
トヨタ自動車は2015年1月、燃料電池自動車に関する約5,680件の特許を、一定期間は無償で他社に使ってもらえるようにすると発表した。特許で独占するより、他社にも燃料電池車を作ってもらって水素ステーションなどの市場そのものを広げるほうが得だと判断した例である。一方、製法を外から見て分からない技術は、特許を出願せず営業秘密(社内の秘密情報)として守る企業も多い。
試験での引っ掛け
「技術はすべて特許を取るのが正しい」は誤り。出願すると内容が公開されるため、外から見て分からない製造ノウハウはあえて出願しない選択がある。用語の取り違えも問われる。クロスライセンスは自社と他社が持つ特許を互いに使えるようにし合う契約で、一方的に使用料を払って使わせてもらう通常のライセンスとは違う。特許ポートフォリオは自社の特許の全体像を整理したもので、一件一件の特許の出願書類のことではない。
関連用語
出た過去問
出典:平成26年度 秋期 ITパスポート試験 問10(IPA)
特許戦略の一つであるクロスライセンスの説明として、最も適切なものはどれか。
正解:特許の権利者同士がそれぞれの所有する権利に関して、相互にその使用を許諾すること
要点:クロスライセンスは特許権者同士が相互に使用を許諾
クロスライセンスは、それぞれ特許権をもつ当事者同士が、互いの特許の実施を許諾し合う契約である。相手の技術を使うたびに個別交渉や訴訟をする負担を避けられ、開発の自由度を確保できる。一方向のみの許諾(ライセンス供与)とは異なり、許諾が相互である点が要件となる。
出典:令和4年度 秋期 ITパスポート試験 問10(IPA)
特許戦略を策定する上で重要な“特許ポートフォリオ”について述べたものはどれか。
正解:企業が保有や出願している特許を,事業への貢献や特許間のシナジー,今後適用が想定される分野などを分析するためにまとめたもの
要点:特許ポートフォリオは保有特許群を戦略的に分析する整理
特許ポートフォリオとは、自社が保有・出願している特許群を一覧として捉え、どの事業にどう貢献しているか、特許同士がどう補完し合うか、今後どの分野に使えるかを分析するために整理したものです。個々の特許ではなく集合として戦略的に管理する点が要点になります。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。