人間中心のAI社会原則とは?にんげんちゅうしんのえーあいしゃかいげんそく
人間中心のAI社会原則とは、AIを社会に取り入れるにあたって守るべき考え方を、日本政府が2019年にまとめた原則。AIは人間の尊厳を損なわず能力を広げる道具であることを前提に、人間中心、教育・リテラシー、プライバシー確保、セキュリティ確保、公正競争確保、公平性・説明責任・透明性、イノベーションの7つを掲げる。
最終更新:2026-10-10
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AIは判断の根拠が人から見えにくく、学習に使ったデータの偏りがそのまま結果の偏りになる。採用や融資の審査に使えば、不利な扱いを受けた人が理由を確かめられないまま結果だけを渡されることが起こりうる。技術の進歩を止めずにこうした不利益を防ぐには、社会の側が先に線引きを示す必要があり、法律より前に原則という形で公表された。
具体例
内閣府の統合イノベーション戦略推進会議が2019年3月に決定し、経済協力開発機構(OECD)のAI原則など国際的な議論とも歩調を合わせている。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」もこの原則を土台にしており、企業がAIを使うサービスを出す際の社内審査の基準として参照されている。
試験での引っ掛け
法律ではなく原則・指針であり、違反しても直ちに罰則が科される性質のものではない。「人間中心の原則」はAIに判断を委ねきらず最終的な責任を人が持つという意味で、AIを使うなという主張ではない。個人情報保護法やAI事業者ガイドラインとは別の文書である点も押さえる。
関連用語
出た過去問
出典:令和4年度 秋期 ITパスポート試験 問21(IPA)
政府が定める“人間中心のAI社会原則”では,三つの価値を理念として尊重し,その実現を追求する社会を構築していくべきとしている。実現を追求していくべき社会の姿だけ…
正解:a, b, d
要点:AI社会原則の三理念は尊厳・多様性の幸福・持続性
人間中心のAI社会原則は、人間の尊厳が尊重される社会、多様な背景をもつ人々が多様な幸せを追求できる社会、持続性ある社会という三つを基本理念として掲げています。したがってa・b・dの組合せが正解です。人間を労働から解放することは掲げられておらず、AIは人間の能力を補い活躍を支えるものと位置付けられています。
出典:令和5年度 秋期 ITパスポート試験 問34(IPA)
記述a〜cのうち、"人間中心のAI社会原則"において、AIが社会に受け入れられ、適正に利用されるために、社会が留意すべき事項として記されているものだけを全て挙げ…
正解:b
要点:AI社会原則の中核は人間の尊厳と基本的人権の尊重
人間中心のAI社会原則は、AIの利用が人間の尊厳を尊重し、基本的人権を侵さないことを基本に据えている。判断の主体はあくまで人間であり、AIに全てを委ねる方向を求めてはいない。また情報格差を生まないよう誰もが公平に恩恵を受けられることを重視しており、能力のある人から順に普及させるという考え方も原則と整合しない。したがってbだけが該当する。
出典:令和6年度 秋期 ITパスポート試験 問12(IPA)
AIに関するガイドラインの一つである“人間中心のAI社会原則”に定められている七つの“AI社会原則”のうち、“イノベーションの原則”に関する記述として、最も適切…
正解:AIの発展によって人も併せて進化するように、国際化や多様化を推進し、大学、研究機関、企業など、官民における連携と、柔軟な人材の移動を促進する。
要点:イノベーションの原則は産学官連携と人材流動を促す
“人間中心のAI社会原則”のイノベーションの原則は、AIによる継続的な技術革新を生み出す環境づくりを求めるものです。具体的には、大学・研究機関・企業といった産学官の連携、国際化・多様化の推進、そして人材が組織の壁を越えて柔軟に移動できる仕組みの整備などが挙げられています。教育、説明責任、公平性などは、それぞれ別の原則が受け持ちます。
出典・参考
公式シラバスの2 経営戦略 > 14. ビジネスシステム > (4) AI(Artificial Intelligence:人工知能)の利活用に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。