NAND(否定論理積)とは?なんど
NAND(否定論理積)とは、論理積(AND)の結果を反転した演算。入力がすべて1のときだけ0になり、それ以外は1になる。この1種類の回路だけでNOT・AND・OR・XORのすべてを組み立てられる性質を持つため、実際の論理回路でも多く使われる。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
論理回路をANDやORなど種類ごとに作り分けると、用意する部品の種類が増えて設計も製造も高くつく。1種類だけですべてを構成できるNANDに寄せれば、同じ素子を並べるだけで済む。半導体は同じパターンを繰り返すほど安く作れるので、この性質が実装の都合と直結している。基本情報では真理値表と等価な論理式の対応として問われる。
具体例
2入力なら (0,0)(0,1)(1,0) のとき1で、(1,1) のときだけ0になる。両方の入力を同じ線につなぐとNOTになり、その組合せでANDもORも作れる。テキサス・インスツルメンツの74シリーズのように、NANDゲートを複数載せたICが標準部品として長く売られている。
試験での引っ掛け
NANDはANDの結果を否定するもので、「入力を否定してからAND」ではない。後者は、ド・モルガンの法則((NOT A) AND (NOT B) は NOT (A OR B) と等しいという規則)によりNOR(否定論理和)と同じ結果になる。フラッシュメモリのNAND型はセルの接続構造を指す呼び名で、論理演算そのものではない。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問3(IPA)
XとYの否定論理積X NAND Yは,NOT(X AND Y)として定義される。X OR YをNANDだけを使って表した論理式はどれか。
正解:(X NAND X) NAND (Y NAND Y)
要点:NANDだけでORは(X NAND X) NAND (Y NAND Y)
ド・モルガンの法則より X OR Y = NOT((NOT X) AND (NOT Y)) と書けます。NANDは1入力を同じ値でまとめると否定として働くので、NOT X は X NAND X、NOT Y は Y NAND Y で作れます。その2つをさらにNANDすれば NOT(NOT X AND NOT Y) となり、OR が得られます。
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問22(IPA)
2入力NAND素子を用いて4入力NAND回路を構成したものはどれか。
正解:2入力NAND素子2個で入力を2本ずつ受け、各出力を入力を短絡したNAND(インバータ)で反転してから、最終段の2入力NAND素子に入力する構成(計5素子・3段)。
要点:4入力NANDはAB・CDを作ってから最後にNANDする
4入力NANDはABCDの論理積を反転した式である。2入力NANDでABとCDそれぞれの否定論理積を作り、各出力を入力を短絡したNAND(インバータ)で反転してABとCDの論理積に戻し、最後にその二つをNANDすれば(AB・CD)の否定、すなわちABCDの否定が得られる。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問22(IPA)
二つの入力と一つの出力をもつ論理回路で、二つの入力A, Bがともに1のときだけ、出力Xが0になる回路はどれか。
正解:NAND回路
要点:NANDは両方1のときだけ0を出す論理積の否定
論理積の結果を反転したものがNANDで、両方の入力が1のときだけ出力が0になり、それ以外の組合せでは1を出す。ANDが両方1のときだけ1を出すのに対し、その否定になっている点が要点である。NANDは組合せだけであらゆる論理回路を構成できる万能素子でもある。
出典・参考
公式シラバスの1 基礎理論 > 1. 離散数学 > (5) 論理演算に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。