ベクトルとは?べくとる
ベクトルとは、大きさと向きを併せ持つ量、またはそれを数の並びとして表したもの。平面上なら2つ、空間なら3つの成分(並べた1つ1つの数)を並べて書き、和は成分ごとの足し算、定数倍(同じ数を掛けて何倍かにすること)は各成分の掛け算で計算する。2つのベクトルの向きの近さは、成分どうしを掛けて足した値(内積)を2つの大きさで割ったコサイン類似度で測れ、科目Bではこの計算が問われる。行列と組み合わせると連立一次方程式をひとまとめに表せ、数値計算の基本の道具になる。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
速度や力のように、数値ひとつでは足りず「どちらへどれだけ」を同時に扱いたい量がある。これを成分の並びとして書き直すと、図形の上での操作が数どうしの計算に置き換わり、計算機でそのまま処理できるようになる。座標変換も検索も機械学習も、内部では数の並びどうしの計算として実行されている。この置き換えが応用数学の出発点になる。
具体例
Pythonの数値計算ライブラリNumPyでは、位置を表す2つの成分に移動量を足すだけで画面上の物体を平行移動できる。文章を扱う分野では、Googleが公開したword2vecのように単語を数百個の数値の並びへ置き換え、並びどうしの近さを測って意味の似た語を探す。
試験での引っ掛け
向きを持たず大きさだけの量(温度や重さなど)はスカラで、これとの区別が最初の分かれ目になる。また行列との積は、並びの長さと行列の列数が一致していなければ定義されない。行と列の対応を取り違えると計算そのものが成り立たなくなる。
関連用語
出た過去問
出典:令和5年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目B 問5(IPA)
次のプログラム中の a と b に入れる正しい答えの組合せを、解答群の中から選べ。ここで、配列の要素番号は1から始まる。 コサイン類似度は、二つのベクトルの向き…
正解:a: vector1[i] × vector2[i] b: denominator × (tempの正の平方根)
要点:コサイン類似度は内積を両ベクトルのノルムの積で割る
分子は対応する要素どうしの積の総和なので、aには2つの配列の同じ位置の要素の積をそのまま加える式が入る。分母は各配列のノルム(2乗和の平方根)の積なので、先に求めたvector1側の平方根が入っているdenominatorに、vector2側の2乗和の平方根を掛ける式がbになる。加算にしたり平方根を余分に取ったりすると定義式と合わなくなる。
出典・参考
公式シラバスの1 基礎理論 > 2. 応用数学 > (2) 数値計算に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。