特許権とは?とっきょけん
特許権とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、新規性と進歩性を備える発明について、審査を経た設定登録により発生する独占的な実施権。存続期間は出願日から原則20年で、監査では発明の届出、先行技術調査、出願可否の判断が知的財産管理規程どおりに運用され、記録として残っているかが対象になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
技術を秘匿すれば模倣は防げるが社会に知識が蓄積されない。逆に公開すれば誰もが真似できる。この対立を、公開の代償として一定期間の独占を認めることで調停したのが特許制度である。権利化の判断も他社権利の調査も担当者個人の判断に委ねると漏れが生じるため、組織としての手続と記録が統制上の要点になる。
具体例
特許庁のJ-PlatPatで先行技術と他社の権利範囲を調査し、その結果を記録に残したうえで出願の要否を判断する運用がある。監査人は発明提案書・調査記録・出願台帳を突合し、学会発表や展示会の予定日より前に出願手続が採られているかを確かめる。
試験での引っ掛け
権利を取ることと実施の自由を得ることは別で、自社製品が他社特許を含む構成であれば、自らの特許があっても実施できない。また出願しただけでは権利は発生せず、設定登録によってはじめて生じる点も、出願公開と混同されやすい。
関連用語
出た過去問
出典:令和2年度 10月試験 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問14(IPA)
特許法によれば、企業が雇用している従業者が行った職務発明に基づく特許の取扱いのうち、適切なものはどれか。
正解:企業は、特許権について通常実施権を有する。
要点:職務発明は原則従業者帰属、企業は当然に通常実施権を得る
職務発明について特許を受ける権利は原則として発明した従業者に帰属し、使用者である企業は法律上当然に通常実施権を得る。企業が権利そのものを取得するには、勤務規則等であらかじめ定めておくことが必要で、その場合は相当の利益を従業者に与えなければならない。相当の利益の額は特許庁が定めるものではなく、労使の協議など定められた手続で決まる。
出典:令和7年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問13(IPA)
特許法に基づく特許権侵害への対応策に関する記述として、適切なものはどれか。
正解:特許権者は、特許権を侵害する者だけでなく、侵害するおそれのある者に対しても、差止請求権を行使できる。
要点:差止請求は侵害者だけでなく侵害のおそれがある者にも行使できる
特許法の差止請求は、現に侵害している者だけでなく、侵害するおそれがある者に対しても行使できる。侵害が起きてからでは回復が困難な損害が生じうるため、事前に予防的な差止めを認めている点が特許権の強い効力の表れである。行使できるのは特許権者と専用実施権者に限られ、通常実施権者は自ら差止めを求めることはできない。また損害賠償については、侵害者の過失が法律上推定されるため、権利者が常に過失を立証しなければならないわけではない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。