グローバルIPアドレス・プライベートIPアドレスとは?グローバルアイピーアドレス・プライベートアイピーアドレス
プライベートIPアドレスはRFC1918で予約された10.0.0.0/8・172.16.0.0/12・192.168.0.0/16の三ブロックで、インターネット上の経路制御では扱われず、閉じたネットワーク内でのみ一意であればよい。グローバルIPアドレスはIANA配下のRIR・LIRを通じて割り当てられ、全世界で一意である。両者をつなぐのがNAT/NAPTで、NAPTは送信元IPに加えポート番号も書き換えることで、1つのグローバルIPアドレスに多数の内部ホストを多重化する。この多重化の代償として、外部からの通信開始が原則できない、変換表のエントリ数と保持時間が上限になる、IPアドレスやポートをペイロードに埋め込むプロトコル(FTPのアクティブモード、SIP)が素通しでは動かない、といった制約が生じる。
最終更新:2026-10-06
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IPv4アドレスの枯渇に対し、CIDRによる割当ての細分化と並ぶ延命策として、内部でのみ一意なアドレス空間(RFC1918)と境界での変換(NAT/NAPT)が導入された。組織の内部ホスト数に比例してグローバルアドレスを消費する構造を、境界の一つのアドレスへ多重化することで断ち切ったわけである。ただしこれはエンドツーエンドで一意なアドレスを前提としたIPの原則を崩す妥協でもあり、外部からの通信開始が成立しない、アドレスをペイロードに持つプロトコルが壊れる、送信元の追跡に変換ログの突合が要る、といった制約はすべてその代償として理解できる。IPv6はこの妥協を不要にする方向の解である。
具体例
社内ホストからのHTTPS通信は、ルータのNAPTで送信元が「グローバルIP+動的に割り当てた送信元ポート」に書き換えられ、戻りパケットはその変換表を引いて内部ホストへ返る。外部から社内のWebサーバへ着信させたい場合は、この向きが成立しないため、静的NAT(ポートフォワーディング)でグローバル側の特定ポートを内部ホストへ固定的に対応づける。監視やアクセスログの調査でも影響が出て、外部から見える送信元はNAT後のグローバルIPだけなので、内部の誰かを特定するにはNAT変換ログとの突合が要る。
試験での引っ掛け
記述で問われるのはNATとNAPTの差で、NATはIPアドレスの1対1変換、NAPTはポート番号も併せて変換する多対1変換である。「NATでアドレスを節約できる」と書くと不十分で、節約が効くのはNAPTのほう。もう一つ、NAPTを外部からの通信を遮断するセキュリティ機構と説明するのは誤りで、それは副作用であってフィルタリングの設計はファイアウォールの責務である。プライベートアドレスとリンクローカルアドレス(169.254.0.0/16、DHCP失敗時に自動設定される)の取り違え、ループバック127.0.0.0/8をプライベートアドレスに数える誤りも定番。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問34(IPA)
TCP, UDPのポート番号を識別し、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの対応関係を管理することによって、プライベートIPアドレスを使用するLA…
正解:NAPT
要点:NAPTはポート番号も変換して1つのIPを複数端末で共有する
NAPT(Network Address Port Translation、IPマスカレードとも呼ばれる)は、IPアドレスの変換に加えてTCPやUDPのポート番号も付け替えることで、内部の複数端末を1つのグローバルアドレスに対応付ける仕組みです。変換表にポート番号との組合せを記録するため、戻ってきたパケットを正しい内部端末へ振り分けられます。アドレスだけを1対1で変換するNATとの違いがここにあります。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問36(IPA)解説で登場
インターネットへの接続において,ファイアウォールでNAPT機能を利用することによるセキュリティ上の効果はどれか。
正解:インターネットにアクセスする組織内の利用者PCについて,外部からの不正アクセスを困難にすることができる。
要点:NAPTは外部から内部端末を名指しした通信を成立させにくくする
NAPTは内部の複数端末のプライベートIPアドレスとポート番号を、1つのグローバルIPアドレスの異なるポートに対応づける。この対応表は内部から外部への通信をきっかけに作られるため、外部から内部の端末を名指しして通信を始めることができず、不正アクセスが困難になる。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問37(IPA)解説で登場
インターネットとの接続において、ファイアウォールのNAPT機能によるセキュリティ上の効果はどれか。
正解:内部ネットワークからインターネットにアクセスする利用者PCについて、インターネットからの不正アクセスを困難にすることができる。
要点:NAPTは内部からの通信時だけ変換表を作るため外部からの接続を阻む
NAPTは、内部の複数の私的IPアドレスとポート番号を、外部向けの少数のグローバルIPアドレスに変換する機能です。内部から通信を開始した場合だけ変換表に対応が作られるため、外部から内部のPCを直接指定して接続することが難しくなり、副次的にセキュリティ上の効果が得られます。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問34(IPA)
TCP, UDPのポート番号を識別し、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの対応関係を管理することによって、プライベートIPアドレスを使用するLA…
正解:NAPT
要点:NAPTはポート番号併用でグローバルIPを複数端末で共有
NAPT(IPマスカレード)は、プライベートIPアドレスとポート番号の組を、グローバルIPアドレスと別のポート番号の組に変換して対応表で管理する。ポート番号で通信を識別するため、1つのグローバルIPアドレスを複数の端末で同時に共有できる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問33(IPA)解説で登場
PCが、NAPT(IPマスカレード)機能を有効にしているルータを経由してインターネットに接続されているとき、PCからインターネットに送出されるパケットのTCPと…
正解:送信元のポート番号と送信元のIPアドレス
要点:NAPTは送信元のIPアドレスとポート番号を書き換える
NAPT(IPマスカレード)は、内部の複数端末を1つのグローバルIPアドレスで通信させるため、送信元IPアドレスをルータのグローバルアドレスに書き換え、さらに端末を区別できるよう送信元ポート番号も付け替える。宛先側の情報は通信相手を指すものなので変更されない。戻りのパケットでは対応表を使って元のアドレスとポートに戻す。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. ネットワーク方式 > (7) インターネット技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。