稼働率とは?かどうりつ
稼働率とは、システムの運用時間のうち、実際に使える状態だった時間の割合。MTBF÷(MTBF+MTTR)で求め、故障の間隔が長いほど、また復旧が速いほど高くなる。可用性を数字で語るための共通言語で、SLAの目標値や機器構成の判断材料として使われる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
止まらないシステムは作れない、という前提から生まれた指標である。かつては「安定している」「よく落ちる」といった感覚の言葉で語られ、発注側と提供側で認識がずれても、ずれたことに気づけなかった。時間の割合という一つの尺度に置き換えたことで、契約書に書ける・監視で測れる・投資すべきかを判断できる状態になった。sgでは、機密性・完全性と並ぶ可用性を数値で扱う場面として問われる。
具体例
Microsoft 365やAmazon Web Servicesは、月間稼働率の目標を下回った場合に利用料の一部を返すサービスクレジットの条件を公開している。稼働率がそのまま契約条項になっている例で、利用する側は99.9%が月あたり約43分の停止を認める意味だと時間に直したうえで、自社の業務がそれに耐えられるかを見る。
試験での引っ掛け
分子に置くのはMTBF(故障と故障の間隔の平均)で、MTTR(復旧に要する時間の平均)ではない。取り違えると値が逆になる。構成でも式が変わり、直列(1台止まれば全体が止まる)は各稼働率の積、並列(1台生きていれば動く)は1から各停止確率の積を引いた値になる。100%は達成できない前提で目標を置く点も押さえる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問42(IPA)
サービス提供者と顧客との間で,新サービスの可用性に関するサービスレベルの目標を定めたい。次に示すサービスの条件で合意するとき,このサービスの稼働率の目標値はどれ…
正解:98.0%以上
要点:稼働率は提供時間から停止時間を引いて提供時間で割る
サービス提供時間は営業日5日×1日10時間で週50時間となる。許容される停止は合計1時間以内なので、稼働時間は49時間以上。稼働率は49÷50=0.98、すなわち98.0%以上が目標値となる。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問49(IPA)
受注管理システムにおける要件のうち、非機能要件に該当するものはどれか。
正解:受注管理システムの稼働率を決められた水準に維持するために、障害発生時は半日以内に回復できること
要点:非機能要件は性能・可用性など品質面の要求を定める
非機能要件は、システムが何をするかではなく、どの程度の品質・性能・運用性で動くかを定める要件である。稼働率の水準や障害からの回復時間は可用性に関する要件なので非機能要件に当たる。与信チェックや在庫警告、承認手続といった業務ルールに基づく振る舞いは機能要件である。
出典:平成29年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問45(IPA)解説で登場
システムの信頼性指標に関する記述として,適切なものはどれか。
正解:MTTRは,システムの修復に費やす平均時間を示している。
要点:MTBFは平均故障間隔、MTTRは平均修復時間
MTTR(Mean Time To Repair)は平均修復時間であり、故障してから修復が完了するまでに要する時間の平均を表す保守性の指標である。稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で求める。
出典:令和6年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問9(IPA)解説で登場
システムの信頼性指標としてRASISがある。そのうちのAは可用性を表し,システムのサービス時間など,ある一定期間でのシステムの機能を維持する度合いを表している。…
正解:MTBFを2倍にして,MTTRは変えない。
要点:稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)、MTBFを伸ばせば向上する
可用性は稼働率で表され、MTBF÷(MTBF+MTTR)で求められます。分子となるMTBFが大きくなるほど、また分母に効くMTTRが小さくなるほど稼働率は高くなります。MTTRを変えずにMTBFだけを2倍にすれば稼働率は確実に上がります。
出典:令和7年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問10(IPA)解説で登場
システムの信頼性指標であるRASISの、安全性を除く四つに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:Rの信頼性は、システムのMTBFによって表す。
要点:RASISは信頼性=MTBF、可用性=稼働率、保守性=MTTR
RASISは信頼性・可用性・保守性・完全性・安全性の頭文字です。信頼性(Reliability)は故障しにくさを表し、平均故障間隔であるMTBFが代表的な指標になります。したがって、信頼性をMTBFで表すとした記述が適切です。
出典・参考
公式シラバスの3 コンピュータシステム > 2 システムの評価指標 > システムの信頼性特性と評価に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。