変動費・固定費とは?へんどうひ・こていひ
変動費は売上高や生産量の増減に比例して増減する費用で、原材料費や外注加工費が該当する。固定費は売上高や生産量にかかわらず一定額発生する費用で、家賃・減価償却費・正社員の給与が該当する。この2分解が損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)の前提になる。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
財務会計の費目分類は、費用を「何に使ったか」で分けるため、生産量を変えたときに利益がどう動くかを読めない。増減の判断に使うには「量に連動するか否か」で組み替える必要があり、そこから直接原価計算や損益分岐点分析が生まれた。固定費が重い事業ほど操業度が下がったときの赤字が急に深くなる——この構造を数字で説明できるかが、ストラテジ系の出題の狙いになる。
具体例
トヨタ自動車のような製造業では、車1台ごとに要る鋼材や部品の費用が変動費、工場の減価償却費や間接部門の人件費が固定費にあたる。売上高2億円・変動費1億2,000万円・固定費5,000万円なら、限界利益8,000万円から固定費を引いて営業利益は3,000万円になる。
試験での引っ掛け
総額で見るか製品1個あたりで見るかで説明が逆転するのが定番。総額では変動費が増減し固定費は一定だが、1個あたりで見ると変動費は一定で、固定費は生産量が増えるほど減る。減価償却費や正社員給与は固定費、材料費や外注加工費は変動費という費目単位の分類も問われる。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問29(IPA)
損益分岐点の特性を説明したものはどれか。
正解:損益分岐点での売上高は,固定費と変動費の和に等しい。
要点:損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)
損益分岐点は利益がちょうど0になる売上高で、売上高=固定費+変動費が成り立つ点である。式では損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)となる。この式から、変動費率が下がるか固定費が小さくなれば損益分岐点は低くなり、比例関係でもないことが分かる。
出典:平成30年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問29(IPA)
売上高が7,000万円のとき、200万円の損失、売上高が9,000万円のとき、600万円の利益と予想された。売上高が8,000万円のときの変動費は何万円か。ここ…
正解:4,800
要点:変動費率=1−(利益の増加分÷売上の増加分)
売上が7,000万円から9,000万円へ2,000万円増えると、利益は-200万円から600万円へ800万円増える。固定費は変わらないので、限界利益率は800÷2,000=0.4となり、変動費率は1-0.4=0.6である。したがって売上高8,000万円のときの変動費は8,000×0.6=4,800万円となる。
出典:令和2年度 10月試験 高度試験 午前Ⅰ 問29(IPA)
資料は今年度の損益実績である。翌年度の計画では、営業利益を30百万円にしたい。翌年度の売上高は何百万円を計画すべきか。ここで、翌年度の固定費、変動費率は今年度と…
正解:525
要点:必要売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率
変動費は材料費200+外注費100=300百万円なので、変動費率は300÷500=0.6、限界利益率は0.4である。固定費は製造固定費100+販売固定費80=180百万円。営業利益30百万円を得るには限界利益が180+30=210百万円必要で、売上高は210÷0.4=525百万円となる。
出典:令和7年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問29(IPA)
売上高が7,000万円のとき、200万円の損失、売上高が9,000万円のとき、600万円の利益と予想された。売上高が8,000万円のときの変動費は何万円か。ここ…
正解:4,800
要点:限界利益率=利益の増加額÷売上の増加額、変動費率はその残り
売上が7,000万円から9,000万円へ2,000万円増えると、利益は−200万円から600万円へ800万円増える。したがって限界利益率は800÷2,000=0.4で、変動費率は1−0.4=0.6となる。売上8,000万円のときの変動費は8,000×0.6=4,800万円である。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 3. 会計・財務 > (1) 企業活動と会計に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。