実施権(ライセンス契約)とは?じっしけん
実施権(ライセンス契約)とは、特許権などの知的財産権をもつ人が、対価と引き換えに、他の会社にその技術や発明を使ってよいと認める権利。権利そのものは手放さず、使う許可だけを与えるのが特徴で、権利者は使用料(ロイヤルティ)という収入を得られ、使う側は一から開発せずに商品を出せる。自社だけでは広げきれない市場に技術を行き渡らせる手段としても使われる。1社だけに独占的に認める専用実施権と、複数の会社に同時に認められる通常実施権がある。
最終更新:2026-10-10
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特許は他社に真似をさせない権利だが、権利者に生産設備も販路も足りなければ、その技術は使われないまま眠る。一方で使いたい側は、同じ発明を一から開発し直すか、市場をあきらめるかしかない。権利そのものは手放さずに「使ってよい」という許可だけを対価付きで切り出せる仕組みがあれば、権利者は収入を得て技術は世に広がる。この仕組みが必要とされた理由がそのまま、知的財産を持つだけでなく活用する話として試験に出てくる。
具体例
任天堂は自社のキャラクターについて、玩具メーカーや菓子メーカーに商品化の許諾を出している。任天堂は権利を持ったまま使用を認め、各社は対価を払って自社商品に使う。これがライセンス契約による実施権(著作権や商標の場合は使用許諾)の形である。
試験での引っ掛け
権利を売り渡す譲渡契約と取り違えやすい。実施権は権利者が権利を持ったまま使用を認める契約で、権利の持ち主は変わらない。もう一点、専用実施権を設定するとその範囲では権利者自身も使えなくなる場合があるのに対し、通常実施権は同じ技術を複数社に重ねて認められる。「専用は1社だけ」「通常は何社でも」で押さえる。
関連用語
出た過去問
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問10(IPA)
自社の保有する特許の活用方法の一つとしてクロスライセンスがある。クロスライセンスにおける特許の実施権に関する説明として,適切なものはどれか。
正解:特許を有する2社の間で,互いの有する特許の実施権を許諾し合う。
要点:クロスライセンスは特許の実施権を互いに許諾し合う契約
クロスライセンスは、特許を持つ企業どうしが互いの特許について実施権を許諾し合う契約である。相手の特許を使わないと自社製品を作れないという状況で、金銭のやり取りを抑えつつ相互に技術を利用できるようにする狙いがあり、紛争の回避や開発の効率化につながる。一方的な独占許諾、再許諾、複数社による一括管理とは仕組みが異なる。
出典:平成26年度 春期 ITパスポート試験 問27(IPA)
外部技術の導入手法の一つとして、企業が互いに有する特許の実施権を相互に許諾するものはどれか。
正解:クロスライセンス
要点:特許を相互に使い合う契約がクロスライセンス
クロスライセンスは、複数の企業が互いの持つ特許について実施権を許諾し合う契約である。相手の技術を使えるようになり、権利侵害をめぐる争いも避けられるため、技術導入の手段として使われる。アライアンスは企業間提携全般、ジョイントベンチャは共同出資による新会社設立、ロイヤルティは権利使用の対価を指す語である。
出典:令和4年度 秋期 ITパスポート試験 問14(IPA)
市販のソフトウェアパッケージなどにおけるライセンス契約の一つであるシュリンクラップ契約に関する記述として,最も適切なものはどれか。
正解:ソフトウェアパッケージの包装を開封してしまうと,使用許諾条件を理解していなかったとしても,契約は成立する。
要点:シュリンクラップ契約は包装を開封した時点で成立する
シュリンクラップ契約は、包装を破って開封する行為をもって使用許諾条件に同意したとみなす契約方式です。条件は包装の外側や中の書面で事前に示されており、開封した時点で契約が成立するため、内容を読んでいなかったという理由で成立を免れることはできないとされています。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。