関係モデルとは?かんけいモデル
関係モデルとは、データを表の形で捉えるための理論で、ひとことで言えば「表を数学の集合として扱う考え方」である。表を思い浮かべると、表そのものを「関係」、表の1行を「組(タプル)」、表の1列を「属性」と呼ぶ。たとえば社員の表なら、社員1人分の行が組、「氏名」の列が属性にあたる。正確には、関係は2つの部分で決まる。1つは見出しで、各列の名前と、その列に入れてよい値の範囲(定義域)の組み合わせである。もう1つは、その見出しに沿って値を並べた行の集まりである。見た目は表計算の表に似ているが、行の集まりを数学の集合として扱う点が違い、和・差・積や選択・射影・結合といった演算の体系(関係代数)の上で操作を組み立てられる。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
1970年にE.F.コッドが提案した。当時のデータベースはデータのつなぎ方をプログラムが知っている前提だったため、格納方法を変えると使う側を全部直すことになっていた。データを値の集合として数学的に定義してしまえば、どう格納されているかと、何を取り出したいかを切り離せる。この理論が関係データベースとSQLの土台になっている。
具体例
IBMの研究者だったE.F.コッドの論文をもとに、同社のSystem Rなどの初期の実装が作られ、のちの製品へつながった。「社員(社員番号, 氏名, 部門コード)」という関係は、社員番号などそれぞれの定義域から取った値の組の集合として定義される。
試験での引っ掛け
関係は集合なので、理論上は同じ組が2つ存在せず、組の順序も無い。ところがSQLの表は、同じ行を重ねて持てる集まり(多重集合。バッグ)であり、ここが理論と実装のずれとして問われる。理論である関係モデルと、それを実装した製品である関係データベースを同じ言葉で混ぜない。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問26(IPA)
関係モデルとその実装である関係データベースの対応に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:関係は,表に対応付けられる。
要点:関係=表、タプル=行、属性=列。順序と重複は実装だけの性質
関係モデルの用語は関係データベースの実装に対応付けられ、関係が表、タプルが行、属性が列、定義域が列のとり得る値の集合にあたる。ただし数学的な関係は集合なので順序や重複の概念がないのに対し、実装の表では列に左右の並びがあり、行も同じ内容が重複して格納され得る。この理論と実装のずれを問う設問である。
出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問27(IPA)
関係モデルにおいて、関係から特定の属性だけを取り出す演算はどれか。
正解:射影(projection)
要点:射影は列を取り出す、選択は行を取り出す
関係代数では、表から必要な列(属性)だけを抜き出す演算を射影という。これに対し条件に合う行(タプル)を抜き出すのが選択であり、行方向か列方向かで対になっている。複数の表を共通の属性で結び付けるのが結合、同じ形の表を行単位で足し合わせるのが和である。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問26(IPA)
関係モデルの属性に関する説明のうち、適切なものはどれか。
正解:関係内の属性の並び順に意味はなく、順番を入れ替えても同じ関係である。
要点:関係モデルでは属性の並び順に意味はない
関係モデルでは、関係は属性の集合として定義され、属性は名前で識別される。そのため列がどの順に並んでいるかは意味を持たず、順序を入れ替えても同じ関係として扱われる。行の順序に意味がないのと同様の考え方である。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問28(IPA)
関係モデルにおいて表Xから表Yを得る関係演算はどれか。
正解:射影(projection)
要点:射影は列を絞る演算、選択は行を絞る演算
表Yは表Xと行の集合が同じままで、列の一部だけが取り出されている。関係演算のうち、必要な列だけを抜き出す操作を射影という。行を条件で絞り込む操作は選択、複数の表を共通項目でつなぐ操作は結合であり、ここではそれらは行われていない。
出典:令和4年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問24(IPA)
関係モデルにおいて表Xから表Yを得る関係演算はどれか。
正解:射影(projection)
要点:列を絞るのが射影、行を絞るのが選択
元の表から特定の列だけを取り出して新しい表を作る演算を射影という。ここでは4列のうち商品番号と数量の2列だけが残り、行はすべて残っているので、列を絞り込む射影に当たる。条件に合う行だけを取り出すのは選択、複数の表を共通の列で結び付けるのは結合である。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. データベース方式 > (1) データベースに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。