稼働率とは?かどうりつ
稼働率とは、システムや装置が、運用する時間全体のうち正常に動いていた時間の割合。MTBF(平均故障間動作時間:故障せずに動き続ける平均の時間)と MTTR(平均修復時間:故障から直るまでの平均の時間)を使い、稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)で求める。装置を直列につないだシステムの稼働率は各装置の稼働率の積、並列につないで「どれか1台が動けばよい」システムは 1 −(全台が同時に止まっている確率)で計算する。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
「よく止まる」「なかなか止まらない」という言い方では、2つの構成のどちらを選ぶべきか比べられない。故障の起きにくさ(MTBF)と直る速さ(MTTR)を1つの割合にまとめれば、装置を二重にしたときや保守の体制を変えたときの効果を数字で比べられる。サービスの質を約束する取り決めである SLA(サービスレベル合意書)でも、稼働率の目標値がよく使われる。
具体例
Microsoft 365 の SLA は月間の稼働率99.9%を約束している。30日の月なら 30 × 24 × 60 = 43,200分の0.1%で、止まってよいのは月に約43分までという意味になる。基本情報技術者試験の科目Aでは、MTBF 3,000時間を20%改善して3,600時間、MTTR 1,000時間を10%改善して900時間にしたときの稼働率が問われ、3,600 ÷(3,600 + 900)= 0.8(80%)になる。
試験での引っ掛け
並列の計算で、稼働率どうしを足したり単純に掛けたりする誤りが多い。並列は「全台が同時に止まる確率」を1から引く(2台なら 1 −(1 − a)×(1 − b))。サーバ1台・クライアント3台のうち1台・プリンタ2台のうち1台のように、直列と並列が混ざった構成では、並列の部分を先に1つの稼働率にまとめてから直列として掛ける。また稼働率の式の分母は MTBF + MTTR であり、MTBF だけではない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問55(IPA)解説で登場
サービスマネジメントシステムにおけるサービスの可用性はどれか。
正解:あらかじめ合意された時点又は期間にわたって,要求された機能を実行するサービス又はサービスコンポーネントの能力
要点:可用性=合意した期間に要求機能を果たせる能力
サービスマネジメントにおける可用性とは、合意した時点や期間にわたって、必要とされる機能をサービスが果たせる能力を指します。稼働率などの指標で表され、SLAで目標値を取り決めるのが一般的です。継続性は災害など深刻な事象への備え、有効性は計画した結果の達成度合いを指し、可用性とは区別されます。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問15(IPA)
2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRを次の表に示す。どちらか1台が稼働していればよい場合,システム全体の稼働率は何…
正解:99.8
要点:並列の稼働率は1-(1-A1)(1-A2)。両方停止の確率を引く
稼働率は MTBF÷(MTBF+MTTR) で求める。1台目は480÷500=0.96、2台目は950÷1000=0.95である。並列でどちらか1台稼働すればよいので、システム全体の稼働率は「両方同時に停止する確率」を1から引き、1-(1-0.96)×(1-0.95)=1-0.04×0.05=0.998、すなわち99.8%となる。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問14(IPA)
図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリ…
正解:a(1-(1-b)³)(1-(1-c)²)
要点:並列冗長の稼働率は1−(1−稼働率)^台数、直列は積
直列に必要な要素は稼働率を掛け合わせ、並列の冗長構成は「全部が同時に停止する確率」を1から引いて求める。クライアント3台はどれか1台動けばよいので稼働率は1−(1−b)の3乗、プリンタ2台も同様に1−(1−c)の2乗になる。サーバは1台で必須、LANの稼働率は1なので、全体はaにこの2つを掛けた式になる。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問15(IPA)
システムの稼働率に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:MTBFを変えずにMTTRを短くできれば,システムの稼働率は向上する。
要点:稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)。長く動き短く直すほど高い
稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で表され、平均故障間隔が長いほど、また平均修理時間が短いほど高くなる。MTBFを保ったままMTTRを短縮すれば分母だけが小さくなるので稼働率は上がる。逆にMTBFやMTTRの一方だけが等しくても、もう一方が異なれば稼働率は一致しない。
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問15(IPA)
MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
正解:0.81
要点:稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)。直列は積、並列は1−(1−A)の積
1台の稼働率は MTBF ÷ (MTBF + MTTR) で求められ、45 ÷ (45 + 5) = 0.9 となる。直列接続のシステムは全ての装置が動いて初めて機能するので、稼働率は各装置の積となり、0.9 × 0.9 = 0.81 である。並列(どちらか動けばよい)なら 1 −(1−0.9)^2 = 0.99 になる点と混同しないこと。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。