TCO(総所有費用)とは?てぃーしーおー
TCO(総所有費用)とは、導入時の初期費用だけでなく、運用・保守・教育・移行・廃棄まで、システムを持ち続ける間に発生する費用を合算した額。直接コストに加え、利用部門が自力で対処する時間のような間接コストも含める点が定義の要である。調達比較では期間をそろえて算定する。
最終更新:2026-10-06
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見積書に並ぶのは購入価格と初年度保守料だけで、その後に発生する費用は誰の予算にも計上されないまま各部門へ散らばっていた。結果として、安く買ったはずの仕組みが数年後に運用要員と教育で予算を食い、選定の妥当性を後から検証できなくなる。所有期間全体の費用を一つの数字にまとめる考え方は、この「買値だけで比べてしまう」構造を評価の土俵から外すために持ち込まれた。
具体例
応用情報のシラバスでは、初期コスト(イニシャルコスト)と運用コスト(ランニングコスト)、直接コストと間接コストの区別まで含めてTCOが挙げられている。オンプレミス案とSaaS案を比べるなら、5年分のライセンス・機器更改・運用要員・データセンタ費用・撤去費用を同じ期間で積み上げ、初期費用の差が総額でどこまで残るかを見る。
試験での引っ掛け
初期費用そのものを指す語ではなく、運用・保守・教育・廃棄までを含む合計額である。またTCOは費用側だけを積んだ数値なので、それ単独では投資の是非を判断できない。効果と突き合わせて評価するにはROIやNPV、投資回収期間を別に用いる。比較の際に期間を合わせないと結論がひっくり返る点も要注意である。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問56(IPA)
新システムの開発を計画している。提案された4案の中で,TCO(総所有費用)が最小のものはどれか。ここで,このシステムは開発後,3年間使用されるものとする。
正解:C案
要点:TCOは初期費用に使用年数分の年間費用を加えて比較する
TCOは初期費用と3年分の運用費用の合計で比較する。初期費用(ハードウェア+開発+教育)に、年間費用(ネットワーク+保守+運用)の3年分を足すと、A案161、B案172、C案153、D案157(単位:百万円)となり、C案が最小である。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問62(IPA)
TCOの算定に当たって、適切なものはどれか。
正解:利用部門におけるシステム利用に起因する、埋没原価などの見えない費用も考慮する。
要点:TCOは導入費だけでなく利用部門の見えない運用費まで含めた総費用
TCO(総所有費用)は、導入費用だけでなく、運用・保守や利用に伴う費用まで含めた、システムを所有する全期間の総コストです。利用部門で発生するトラブル対応や自己学習といった、帳簿に現れにくい見えない費用も算定に含めるのが本来の考え方です。
出典・参考
公式シラバスの2 コンピュータシステム > 1. システムの構成 > (1) システムの処理形態・利用形態・適用領域に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。