規模の経済・範囲の経済・経験曲線効果とは?きぼのけいざい・はんいのけいざい・けいけんきょくせんこうか
規模の経済・範囲の経済・経験曲線効果とは、コストが下がる理由を三通りに切り分けた考え方。ある時点の生産量が多いほど固定費が薄まるのが規模の経済、複数の事業で設備やブランド、データを共用できるのが範囲の経済、累積の生産量が増えて習熟や工程改善が進むほど単位原価が下がるのが経験曲線効果である。
最終更新:2026-10-06
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「たくさん作れば安くなる」という言い方には、性質の違う三つの現象が混ざっている。どれが効いているかを取り違えると打ち手を誤る——設備を増やすのか、事業を束ねるのか、先行して量を積んで習熟を稼ぐのかで、必要な投資がまるで変わるからである。PPMや競争戦略の議論は、この区別の上に組み立てられている。
具体例
クラウド事業者が大規模なデータセンタで単位あたりの調達費を下げるのは規模の経済。同じ顧客基盤へ複数のサービスを載せて営業費を共用するのが範囲の経済。半導体の量産初期に歩留まりが低く、累積出荷が増えるにつれて不良率が下がり原価が落ちるのが経験曲線効果にあたる。
試験での引っ掛け
規模の経済と経験曲線効果の区別が定番で、分岐点は時点の生産量か累積の生産量か。範囲の経済は量ではなく取り扱う事業・品種の幅による効果である。経験曲線効果は時間が経てば自然に起きるものではなく、量を積むことで習熟や改善が進んだ結果である点も押さえる。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問65(IPA)解説で登場
EMS(electronics manufacturing services)の説明として、適切なものはどれか。
正解:生産設備をもつ企業が、他社からの委託を受けて電子機器を製造する。
要点:EMSは他社ブランド製品を受託製造するサービス
EMSは、電子機器の受託製造サービスを指す。自社の生産設備と量産技術を活かして他社ブランドの製品を製造し、規模の経済によって低コストで供給する事業形態である。委託する側は生産設備を持たずに製品を市場へ出せるため、開発やマーケティングに資源を集中できる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問68(IPA)解説で登場
あるメーカがビールと清涼飲料水を生産する場合、表に示すように6種類の組合せ(A〜F)によって異なるコストが掛かる。このメーカの両製品の生産活動におけるスケールメ…
正解:スケールメリットはないが、シナジー効果はある。
要点:併産コストが単独合計より安ければシナジー効果がある
スケールメリット(規模の経済)は生産量を増やすと1台当たりのコストが下がることを指すが、ビールは20万本で1本75円、40万本で82.5円、清涼飲料水も10万本50円が20万本で55円と、どちらも単価が上がっており規模の経済は働いていない。一方、両製品を同時に作るとコストは1,900万円(別々なら2,000万円)、4,200万円(別々なら4,400万円)と下がるので、シナジー効果(範囲の経済)は認められる。
出典・参考
公式シラバスの8 経営戦略 > 1. 経営戦略手法 > (1) 経営戦略に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。