ファストトラッキングとは?
ファストトラッキングとは、本来は順番に行う作業の一部を並行して実施することで、スケジュールを短縮する技法。追加コストをかけずに期間短縮できる可能性がある一方、並行作業による手戻りのリスクが高まる。
応用情報技術者試験の過去問では5回出題されています(2018年度〜2025年度)。
ふぁすとらっきんぐ
ファストトラッキングの意味
本来は順番に行う作業の一部を並行して実施することで、スケジュールを短縮する技法。追加コストをかけずに期間短縮できる可能性がある一方、並行作業による手戻りのリスクが高まる。
ファストトラッキングの具体例
本来は詳細設計が完全に終わってから開始する予定だったプログラム開発の一部を、詳細設計の一部が完了した段階から前倒しで並行着手する。
ファストトラッキングは試験でどう引っ掛けられる?
クラッシングと取り違えやすい。並行実施で短縮するのがファストトラッキング(追加コストは原則不要だが手戻りリスクが増える)、要員追加や残業で短縮するのがクラッシング(コストが増える)。コストが増えるほうがクラッシングと押さえる。どちらもクリティカルパス上の作業に適用しないと全体は短縮しない。
ファストトラッキングと関連する用語
ファストトラッキングが出た過去問
プロジェクトの期間を短縮する方法のうち,クラッシングに該当するものはどれか。
正解:プロジェクトの外部から要員を調達し,クリティカルパス上の作業に投入する。
要点:クラッシングは資源追加で期間短縮する(コスト増を伴う)。
クラッシングは、クリティカルパス上の作業に要員や設備などの資源を追加投入して所要期間を短縮する方法である。作業の順序関係は変えずに済むが、コストが増加するという代償がある。作業を並行化して短縮するファストトラッキングとは手段が異なる。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問51(IPA)プロジェクトのスケジュールを短縮するために、アクティビティに割り当てる資源を増やして、アクティビティの所要期間を短縮する技法はどれか。
正解:クラッシング
要点:クラッシングは資源追加で期間短縮、ファストトラッキングは並行化で短縮
クラッシングは、要員などの資源を追加投入してアクティビティの所要期間を短縮する技法です。コストの増加を伴うため、最小の追加コストで最大の短縮が得られるアクティビティから適用します。作業を並行化して短縮するファストトラッキングとの違いを押さえることが要点です。
出典:令和1年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)プロジェクトのスケジュールを短縮するために、アクティビティに割り当てる資源を増やして、アクティビティの所要期間を短縮する技法はどれか。
正解:クラッシング
要点:クラッシングは資源追加で作業期間を縮める短縮技法
クラッシングは、要員や設備といった資源を追加投入して個々の作業の所要期間を縮め、全体の期間を短縮する技法である。作業の順序は変えないので手戻りの危険は小さいが、その分コストが増える。順序を変えて作業を並行させるファストトラッキングとは、増えるのがコストかリスクかという点で対照的である。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問52(IPA)プロジェクトマネジメントにおけるファストトラッキングの例として、適切なものはどれか。
正解:設計が終わったモジュールから順にプログラム開発を実施するようにして、スケジュールを短縮した。
要点:ファストトラッキングは工程を重ねて並行実施し期間を縮める
ファストトラッキングは、本来は順番に実施するアクティビティを一部重ねて並行実施し、スケジュールを短縮する技法である。設計が完了したモジュールから順に開発へ着手するのは、設計工程と開発工程を重ねる典型例である。ただし手戻りのリスクは増える。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)プロジェクトの期間を短縮する方法のうち,クラッシングに該当するものはどれか。
正解:プロジェクトの外部から要員を調達し,クリティカルパス上の作業に投入する。
要点:クラッシングは資源投入で期間短縮、ファストトラッキングは並行化
クラッシングは、要員の追加や残業などの資源投入によって、作業期間そのものを短縮する方法である。効果を出すには全体工期を決めているクリティカルパス上の作業に資源を投入する必要があり、コストは増加する。作業を並行させて期間を詰めるファストトラッキングとは区別される。
出典:令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。