共通フレーム(SLCP-JCF)とは?きょうつうふれーむ
共通フレーム(SLCP-JCF)とは、システムの構想から開発・運用・保守・廃棄までの作業を、取得者(発注側)と供給者(受注側)が同じ言葉で語れるように整理したプロセスの共通枠組み。ISO/IEC 12207(JIS X 0160)を日本の商習慣に合わせて具体化したもので、「何をやるか」を定義するが「どうやるか」(手法・体制・成果物の様式)は規定しない。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
同じ「基本設計」「詳細設計」という語が会社ごとに違う範囲を指し、契約の切れ目と責任の所在が曖昧なまま作業が進んで、追加費用の負担でもめる状態が長く続いていた。作業の単位と呼び名をそろえれば、見積り範囲と受入れ条件を突き合わせられる。システムアーキテクトは提案依頼書や提案書の準備を支援する立場にあるため、契約・合意の領域で問われる。
具体例
IPA(情報処理推進機構)が共通フレーム2013として公開し、企画プロセス・要件定義プロセスを日本向けに前面へ出している。提案依頼書(RFP)で発注側が担う範囲と、ベンダが担う設計・実装の範囲を、共通フレームのプロセス名で対応付けて契約の切れ目を示す使い方が典型。
試験での引っ掛け
開発方法論でも作業手順書でもない。全プロセスを必ず実施するものでもなく、対象に合わせて取捨選択・修整(テーラリング)して使う。ISO/IEC 12207そのものと同一視するのも誤りで、日本向けに企画・要件定義を厚くしている点が違い。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
JIS X 0160で規定しているテクニカルプロセスにおける、システム要求事項分析プロセスの成果はどれか。
正解:システム要求事項は、影響のある全ての当事者へ伝えられ、ベースラインとなっている。
要点:要求事項分析の成果は合意されベースライン化された要求
システム要求事項分析プロセスは、利害関係者の要求をシステムに対する要求事項へ落とし込み、それが妥当であることを確認したうえで関係者間で合意する活動である。その成果として、確定した要求事項が影響を受ける全ての当事者へ伝達され、以後の変更管理の基準となるベースラインが確立される。方式設計や結合戦略の策定は後続の別プロセスの成果である。
出典:令和4年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問11(IPA)
JIS X 0160:2021(ソフトウェアライフサイクルプロセス)によれば、廃棄プロセスのタスクのうち、アクティビティ“廃棄を確実化する”において実施すべきタ…
正解:廃棄後の、人の健康、安全性、セキュリティ及び環境への有害な状況が識別されて対処されていることを確認する。
要点:廃棄の確実化では健康・安全・環境への影響対処を確認する
廃棄プロセスは、廃棄を準備する・廃棄を実施する・廃棄を確実化する(完了させる)というアクティビティから成る。最後の「廃棄を確実化する」では、廃棄後に人の健康・安全性・セキュリティ・環境への有害な影響が残っていないことを識別し、対処済みであることを確認する。
出典:令和4年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問12(IPA)
JIS X 0160:2021(ソフトウェアライフサイクルプロセス)によれば、ライフサイクルモデルの目的及び成果を達成するために、ライフサイクルプロセスを修正す…
正解:修整(Tailoring)
要点:標準プロセスを状況に合わせ修正・追加定義するのが修整
修整(テーラリング)とは、組織やプロジェクトの規模・特性・制約に合わせて、標準のライフサイクルプロセスを削除・変更したり、必要なプロセスを新たに定義したりすることをいう。標準をそのまま適用せず、目的と成果を達成できる形に仕立て直す行為である。
出典:令和5年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問11(IPA)
JIS X 0160:2021(ソフトウェアライフサイクルプロセス)によれば、ソフトウェアライフサイクルプロセスにおいて、提供するソフトウェアシステムが利害関係…
正解:ソフトウェア受入れテスト
要点:顧客とともに要件合致と利用適合性を確認するのが受入れテスト
ソフトウェア受入れテストは、供給者が提供するソフトウェアが利害関係者の要件に合致し、実際の利用に適していることを、取得者(顧客)とともに確認するためのテストである。開発側の内部確認ではなく、顧客と一緒に納得を得ることが目的である点が特徴である。
出典:令和6年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問10(IPA)
JIS X 0160:2021(ソフトウェアライフサイクルプロセス)によれば、移行プロセスで実施するタスクはどれか。
正解:システムの利用及び支援に必要な情報ニーズを識別し、利用者用文書、並びに運用操作者、利用者及びその他の利害関係者への教育訓練を用意する。
要点:移行プロセスでは利用者用文書と教育訓練を用意する
移行プロセスは、検証済みのシステムを実際の運用環境へ導入し、運用側が使い始められる状態にするプロセスである。そのため、利用や支援に必要な情報を洗い出して利用者用文書を整え、運用操作者や利用者に対する教育訓練を用意することが、このプロセスのタスクに含まれる。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの4 開発技術 > 1. 開発プロセス・手法 > (4) 開発プロセスに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。