待ち行列理論(M/M/1)とは?まちぎょうれつりろん
待ち行列理論(M/M/1)とは、M/M/1という名前は、到着の仕方(ポアソン分布)/サービス時間の分布(指数分布)/窓口の数(1つ)を順に並べたもの。この条件では、窓口の利用率ρを到着率×平均サービス時間で求めておけば、平均待ち時間はρ/(1−ρ)倍、待ちを含む滞在時間は1/(1−ρ)倍の平均サービス時間として一度に出せる。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
処理能力にはまだ余裕があるはずなのに応答が急に悪くなる、という現象は直感では説明できない。到着がばらつく限り、窓口が空いている時間と行列ができる時間が交互に生じ、利用率が1へ近づくほど後者が急激に伸びるためである。性能設計で「使用率を何割までに抑えるか」を決める根拠がここにあり、午前I(科目A-1)でも計算問題として繰り返し出ている。
具体例
平均サービス時間0.2秒、利用率0.5なら平均待ち時間は0.5/0.5×0.2=0.2秒。利用率が0.8へ上がると0.8/0.2×0.2=0.8秒になり、負荷が1.6倍になっただけで待ち時間は4倍に伸びる。
試験での引っ掛け
待ち時間がサービス時間そのものを超えるのは、利用率が0.5を超えたとき。また2台のサーバを1台へ統合すると到着率が2倍になって利用率も2倍になるため、統合後のρで計算し直さないと答えが合わない。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問2(IPA)解説で登場
コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは、伝票データをためる待ち行列をもち、M/M/1の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間がT秒…
正解:50
要点:M/M/1の平均待ち時間はρ/(1−ρ)×平均処理時間
M/M/1モデルの平均待ち時間Twは、利用率をρ、平均サービス時間をTsとすると Tw = ρ/(1-ρ) × Ts で表される。ここではTs=T秒なので、Tw≧T となる条件は ρ/(1-ρ) ≧ 1、すなわち ρ ≧ 1-ρ より ρ ≧ 0.5 である。したがって利用率が50%以上になったときに平均待ち時間がT秒以上となる。
出典:令和6年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問1(IPA)解説で登場
ATM(現金自動預払機)が1台ずつ設置してある二つの支店を統合し、統合後の支店にはATMを1台設置する。統合後のATMの平均待ち時間を求める式はどれか。ここで、…
正解:2ρ/(1-2ρ)×Ts
要点:統合で利用率が2ρになりM/M/1の式に代入する
M/M/1モデルの平均待ち時間はρ/(1-ρ)×Tsで表される。2支店を統合すると利用者数(到着率)は合計されて2倍になり、サービス時間Tsは変わらないので、統合後の利用率は2ρとなる。これを式に代入して、平均待ち時間は2ρ/(1-2ρ)×Tsとなる。
出典:令和7年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問1(IPA)解説で登場
コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは、伝票データをためる待ち行列をもち、M/M/1の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間がT秒…
正解:50
要点:M/M/1の平均待ち時間はρ/(1−ρ)×サービス時間
M/M/1モデルでは、平均待ち時間Wqは平均サービス時間Tsに対してWq=ρ/(1−ρ)×Tsで表される。本問はTs=Tなので、Wq≧Tとなる条件はρ/(1−ρ)≧1、すなわちρ≧0.5である。したがって利用率が50%以上になると平均待ち時間が処理時間Tと同じ以上に膨らむ。
出典・参考
公式シラバスの1 基礎理論 > 2. 応用数学 > (6) 待ち行列理論に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。