回線利用率とは?かいせんりようりつ
回線利用率とは、回線の伝送能力に対して実際にどれだけ使われているかの割合で、実効の伝送量÷回線速度で求める。待ち行列理論では、利用率が上がるほど待ち時間が比例を超えて急に伸びるため、設計では上限まで使い切らず余裕を残す。転送時間の計算問題でも実効速度を下げる係数として効く。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
回線を太くすれば速くなるが費用も増えるので、どこまで細くしてよいかを数字で示す必要がある。ここで効いてくるのが、窓口が1つの行列の待ち時間を見積もるM/M/1モデルの関係である。待ち時間は「利用率÷(1−利用率)」に沿って伸び、分母の(1−利用率)は回線の空いている割合なので、空きが減るほど待ち時間が大きくなる。8割を超えたあたりから急に伸びるという形を知っていれば、設計上の目安を暗記せずに説明できる。
具体例
1Gビット/秒の社内回線で、1件500Kバイトのファイル転送が毎秒10件発生しているとする。500,000×8×10=40Mビット/秒なので、利用率は4%にとどまる。ここへ映像配信が加わって800Mビット/秒まで積み上がると利用率は80%になり、待ち時間は伝送量の伸び以上に増える。
試験での引っ掛け
平均値だけで判断しないこと。平均が低くても、特定の時間帯だけ飽和していることがある。また「利用率が2倍なら待ち時間も2倍」という比例の感覚で解くと外れる。利用率が100%へ近づくと待ち時間は発散する。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問30(IPA)
本社と工場との間を専用線で接続してデータを伝送するシステムがある。このシステムでは2,000バイト/件の伝票データを2件ずつまとめ,それに400バイトのヘッダ情…
正解:49
要点:回線利用率=実効転送ビット毎秒÷回線速度
伝票を2件まとめるので1回の送信は2,000×2+400=4,400バイト、ビットに直すと35,200ビットです。1時間あたり100,000件は50,000回の送信にあたり、総量は35,200×50,000=1.76×10^9ビットとなります。これを3,600秒で割ると約489kビット/秒で、回線速度1Mビット/秒に対する利用率は約49%です。
出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問30(IPA)
10Mビット/秒の回線で接続された端末間で、平均1Mバイトのファイルを、10秒ごとに転送するときの回線利用率は何%か。ここで、ファイル転送時には、転送量の20%…
正解:9.6
要点:回線利用率=実転送ビット数÷回線が運べるビット数
1Mバイトは8Mビットで、制御情報が20%付くので実際に流れるのは8×1.2=9.6Mビットである。10秒間に回線が運べる量は10Mビット/秒×10秒=100Mビットなので、利用率は9.6÷100=9.6%となる。バイトとビットの換算と、20%増しの扱いを取り違えないことがポイントである。
出典:令和7年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問7(IPA)
1Gバイトの動画データを40Mビット/秒の回線を使用してダウンロードしたところ,5分掛かった。このときの回線利用率はおよそ何%か。ここで,ダウンロード時には動画…
正解:80
要点:利用率=実際の伝送量÷理論伝送量。制御情報も含める
制御情報が20%付加されるので実際に流れるデータ量は1Gバイト×1.2=1.2Gバイト、ビットに直すと9.6Gビットになる。回線の理論上の伝送量は40Mビット/秒×300秒=12Gビットである。したがって回線利用率は9.6÷12=0.8、すなわち約80%となる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。