平均アクセス時間(実効アクセス時間)とは?へいきんあくせすじかん
平均アクセス時間(実効アクセス時間)とは、階層化された記憶で、上位に当たるか外れるかを確率で重み付けした期待値としてのアクセス時間。ヒット率h、高速側t1、低速側t2なら h×t1+(1−h)×t2 で求める。低速側が10倍遅くてもヒット率が高ければ全体は高速側に近づく——これが記憶階層を積むことの根拠になる。
最終更新:2026-10-06
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速い記憶ほど高価で容量が小さく、大きい記憶ほど安いが遅いという物理と経済の制約から逃れられない。全部を高速な記憶にできない以上、参照の局所性を前提に、よく使うものだけを速い側へ置いて平均を稼ぐしかない。システムアーキテクトにとっては、キャッシュ・DBのバッファプール・CDNのいずれも同じ式で効果を見積もれる点が要点で、性能設計の投資判断に直結する。
具体例
ヒット率0.9、キャッシュ10ns、主記憶100nsなら 0.9×10+0.1×100=19ns。ヒット率を0.95へ上げるだけで14.5nsまで縮み、高速側を速くするより当たる確率を上げるほうが効くと分かる。Webでも同じ理屈で、AkamaiやCloudflareのようなCDNではキャッシュヒット率が運用の主要指標になっている。
試験での引っ掛け
平均応答時間が与えられてヒット率を逆算させる、ヒット率を変えて再計算させるという形で問われる。式を立てるときは、ミス時の所要時間が低速側の時間だけなのか、高速側を探した時間を含めて加算するのか(ミスペナルティの定義)を問題文で確認しないと答えがずれる。
関連用語
出た過去問
出典:令和元年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
ページング方式の仮想記憶において、主記憶の1回のアクセス時間が300ナノ秒で、主記憶アクセス100万回に1回の割合でページフォールトが発生し、ページフォールト1…
正解:c, b, a
要点:実効アクセス時間はアクセス時間とフォールト損失の和で比較する
現状の平均アクセス時間は300ns+(200ms÷10^6)=300+200=500nsである。aはオーバヘッドが1/5になり300+40=340ns、bはアクセス時間75nsで発生率1.2倍のため75+240=315ns、cは100+200=300nsとなる。短いほど効果が高いので、c、b、aの順である。
出典:令和4年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問21(IPA)
容量がaMバイトでアクセス時間がxナノ秒の命令キャッシュと、容量がbMバイトでアクセス時間がyナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて、CPUからみた、主記憶と命令…
正解:(1-r)・x + r・y
要点:平均アクセス時間はヒット率とミス率で重み付けした期待値
平均アクセス時間は、キャッシュに命中した場合と外れた場合の時間を、それぞれの確率で重み付けした期待値として求める。命令がキャッシュにない確率がrなので、命中する確率は1-rであり、平均アクセス時間は (1-r)×x + r×y となる。容量aとbは確率の計算には使わない。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの2 コンピュータシステム > 2. メモリ > (5) メモリの容量と性能に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。