バックアップ方式(フル・差分・増分)とは?ばっくあっぷほうしき
バックアップ方式(フル・差分・増分)とは、フルは対象全体を、差分は直近のフル以降に変わった分すべてを、増分は直近のバックアップ(フルでも増分でも)以降に変わった分だけを取得する方式。取得にかかる時間と媒体の量、復旧時に適用する世代数がトレードオフの関係にあり、許容できるRPO(どこまで戻ってよいか)とRTO(どれだけで戻すか)から逆算して組み合わせる。
最終更新:2026-10-06
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データ量が業務の停止できる時間を上回った時点で、毎回全部取るという選択肢が消えた。夜間の限られたバックアップ窓に収めるには、変わったところだけを取るしかない。ここで生まれたのが差分と増分の二択で、取得を軽くするほど復旧が重くなるという交換条件が付いて回る。応用情報では、どちらを選ぶかを取得側の速さだけでなく復旧手順の長さとあわせて説明できるかが問われる。
具体例
AWSのEBSスナップショットは、2回目以降が変更ブロックだけを保存する増分方式でありながら、利用者から見ればどの世代からも単独で復元できるように管理されている。取得は軽く、復旧時に世代をたどる手間も見えないという設計である。オンプレミスのテープ運用では、週末にフル、平日は増分または差分という組合せが古くから使われてきた。
試験での引っ掛け
取得が速いのは増分、復旧が速いのは差分で、この向きが入れ替わった選択肢が定番。差分は日が経つほど1回あたりが太り、増分は途中の1世代が読めないだけでそれ以降を復旧できない。取得できていることと戻せることは別で、リストア訓練をしていなければ実質的にバックアップが無いのと同じ、という論点も監査側から問われる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問57(IPA)
次の処理条件で磁気ディスクに保存されているファイルを磁気テープにバックアップするとき、バックアップの運用に必要な磁気テープは最少で何本か。 〔処理条件〕 (1)…
正解:14
要点:復元にはフルと差分が対で必要、保持月数分だけ確保する
復元には対象月のフルバックアップと、その月の差分バックアップの両方が必要です。6か月前の同一日まで遡れるようにするには、当月と過去6か月分、すなわち7か月分を保持しなければなりません。フルバックアップは1回1本で7本、差分バックアップは1か月1本で7本となり、合計14本が最少です。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問56(IPA)
バックアップ処理には、フルバックアップ方式と差分バックアップ方式がある。差分バックアップ方式による運用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:フルバックアップのデータで復元した後に、差分バックアップのデータを反映させて復旧する。
要点:差分バックアップの復旧はフル復元の後に差分を反映する
差分バックアップは、直前のフルバックアップ以降に変更された分だけを取得する方式である。復旧の際はまずフルバックアップで復元し、その上に差分バックアップを反映させて最新の状態に戻す。取得は速いが、復旧にはフルと差分の両方が必要になる。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問56(IPA)
次の処理条件で磁気ディスクに保存されているファイルを磁気テープにバックアップするとき、バックアップの運用に必要な磁気テープは最少で何本か。 〔処理条件〕 (1)…
正解:14
要点:6か月前の同一日まで復元するには当月含め7か月分を保持する
常に6か月前の同一日以降の任意の日の状態に復元できるようにするには、当月を含めて7か月分のバックアップを保持しておく必要がある。フルバックアップは月に1本、差分バックアップも月に1本使うので、7×2=14本が最少となる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問55(IPA)
次の処理条件で磁気ディスクに保存されているファイルを磁気テープにバックアップするとき、バックアップの運用に必要な磁気テープは最少で何本か。 〔処理条件〕 (1)…
正解:14
要点:差分方式の復元にはその月のフルと差分が対で要る
指定日の状態に戻すには、その月のフルバックアップと、同じ月の差分バックアップの両方が必要になる。6か月前の同一日まで復元できるようにするには、当月を含めて7か月分を保持しなければならない。フルと差分を各月1本ずつ持つので、7×2=14本が最少となる。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問57(IPA)
フルバックアップ方式と差分バックアップ方式を用いた運用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:フルバックアップのデータで復元した後に、差分バックアップのデータを反映させて復旧する。
要点:差分バックアップの復旧はフル復元後に差分を反映する
差分バックアップは、直前のフルバックアップ以降に変更されたデータだけを取得する方式である。復旧時にはまずフルバックアップで全体を復元し、その後に最新の差分バックアップを反映させる必要があるため、フルバックアップ単独より復旧に手間がかかる代わりに、日々の取得時間と容量を節約できる。
出典・参考
公式シラバスの2 コンピュータシステム > 3. ファイルシステムに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。